ウイーンフィル演奏会第2夜 –9月8日

ロイヤルアルバートホールで開催されてきたPROMSも全74のプログラムのうち今夜が72番目で、私にとってはこれが今年最後です。
今日はエッシェンバッハ(Christoph Eschenbach)指揮のウイーンフィルによるブルックナー作曲交響曲第8番ハ短調(ノヴァーク版)です。

昨日のウイーンフィルを聴いたあとでは、今日の舞台を見ておやっと思いました。弦楽器配置がかなり違うのです。昨日のストラヴィンスキーのときは、左から半円形に第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラの順で、コントラバスがチェロとヴィオラの後ろでした。
ところが、今日は第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンの順でコントラバスが第1ヴァイオリンの後ろなのです。この形は大昔フランツ・コンヴィチュニー指揮のライプチッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の舞台で見た記憶があります(ちょっとあやふや)。
これは、指揮者の好みなのか、それともウイーンフィルでブルックナーを演奏するときはこうなのか、よくわかりませんが、通常良く見る形とはかなり異なるのでちょっとびっくりした次第です。ウイーンフィルの演奏では、ブーレーズの演奏したDVDを持っているのですが、これは演奏場所がSt. Florianという教会で、舞台が奥に細長いところなのでちょっと参考にしづらい。

c0057725_851328.jpgこの曲は割りと最近マーク・エルダー指揮ハルレ管弦楽団をセントポール寺院で聴いてとても印象深いものでしたが、今日の演奏はもうすばらしいとしか言いようがない。エッシェンバッハ(左の写真)はゆっくり目のテンポでたっぷりと鳴らしながら進めていくのですが、全楽章を通じてまったくだれることなくブルックナーの世界をこの大きなホールいっぱいに現出させたと言えるでしょう。あのブルックナー開始が始まってすぐに私は完全にその世界に引き込まれてしまいました。強奏しても全く刺激的にならない金管の美しさ、ヴォリューム感たっぷりの弦(特に低弦の豊かさ)、昨日も感想に書いたようにその弦と見事に溶け合う木管群、ハープでさえ何か特別な音がするように感じましたが、エッシェンバッハはそれらを巧みにコントロールして実に密度の高い音楽を提示してくれました。アダージョの第3楽章など天国的な美しさでしたし。この人はもともとピアニストで、指揮もすることは知っているものの、今まで実演に接したことはなくこれが初めての経験ですが、すばらしい音楽性の持ち主であることを確信しました。85分もの長い曲ですが、「もう一度演奏しましょうか?」と訊かれたら「ぜひ、お願いします!」と確信を持って答えるでしょう。
今回実にいろいろすばらしい音楽をPROMSで経験しましたが、このように感動的な演奏会で締めくくれたのは気分がいいものです。演奏終了時に心からの感謝の「ブラヴォー!」を思いっきり叫んできました。

c0057725_8514030.jpgところで、座席が高い位置でしたのでオーケストラを隅々まで見渡せたのですが、今まで実物をそれと認識しなかったワーグナーチューバ(ホルンチューバとも言う)という楽器をはっきり確認できました。今日はホルン奏者は9人いたのですが、そのうち4人は通常のホルンとこのワーグナーホルンを必要に応じて持ち替えて吹いていました。写真は、上段の4人がワーグナーホルンを持っているところで、下の段の通常ホルンと比較できます。ただ、音はどうかと言われるとあまりよくわからなかった。大抵通常のホルンと一緒に演奏されるので違いがよくわからないのです。より低音が出るはずですが。
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by dognorah | 2005-09-09 09:02 | コンサート
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