マーラーの交響曲第6番 -9月1日

今日と明日の二日間はロイヤル・コンセルトヘボー管弦楽団(Royal Concertgebouw)がPROMSで演奏します。このオケを聴くのは久しぶりなので両日とも切符を買いました。
指揮は主席指揮者のマリス・ヤンソンス(Mariss Jansons)です。演奏曲目は大曲なのでこの第6番だけです。

c0057725_8172828.jpgラトヴィヤ生まれのこの指揮者(左の写真)を聴くのは2年振りでそのときは当時の常任をしていたピッツバーグ管弦楽団を指揮してのショスタコーヴィッチの第10番でした。さすがとうならせる名演であったことを覚えています。この人のお父さんはアルウィッド・ヤンソンスといって、よく東京交響楽団(と思う)に客演していましたが、いつもいい音楽を聴かせてくれるすばらしい指揮者でした。でも、息子は既に父を超えた大物になっていると思います。

ロイヤルコンセルトヘボーも古くからの思い出があります。以前はアムステルダムコンセルトヘボーという名前でしたが、創立100年記念の1988年にロイヤルという名前をつけることを許されたようです。その実力は維持されていると思いますが、音色は相当変わりました。昔は弦の音が燻したようなというかくすんだ独特の厚みのある音色でとても魅力的でした。昔のLPで聞いてもそれははっきりと他の楽団と区別が付いたものです。初来日のときにヨッフム指揮の実演を聴いて「レコードと同じ音がする!」と感激したのを覚えています。
しかし、その音はもうありません。90年代前半にロンドンで聴いたときにはもうありませんでした。メンバーが全部入れ替わって継承されることなく消えてしまったのでしょう。残念なことです。その分、よりインターナショナルなオケになったのでしょうが、昔からの名店が消えて国際ブランドの店ばっかりになっていく最近の欧州各都市のハイストリートを見る思いです。

前置きが長くなりましたが、今日の演奏はほぼ完璧だったと思います。第1楽章の最初から乗りに乗った演奏でした。最後まで緊張は緩むことなく濃い密度を持続。金管が音をはずしかけたようなところは何箇所かあるにしても実演ではみんなやること、たいしたことではない。曲の組み立て、音楽の流れ、厚みのある美しい弦や木管など、いつまでも続いてほしいと思う音楽空間に浸れました。この第6番はCD(マゼール指揮ウイーンフィル)を聴くだけでは理解できない音楽でしたが、初めての実演を経験してかなり曲の本質が見えてきたような気がします。一昨日ヴェルザー・メスト指揮のクリーブランドによる第3番を聴いて感激したばかりですが、また新たなマーラーの世界を垣間見ました。これで私が実演で聴いていないマーラーの交響曲は、第2番と第9番だけになりました。第2番は来月聴く予定ですが、第9番はまだ予定が立ちません。
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写真は、終演後のヤンソンスとコンセルトヘボーです。

今日もオケのメンバーをチェックすると日本人女性の弦楽器奏者が4人もいました。先日から数え始めただけですが既に十数人に達しています。すごいですね、日本の女性の活躍ぶりは。これに比べると男性奏者の活躍が寂しい気がします。テニスの世界も同じ傾向ですが、なぜなんでしょう?
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by dognorah | 2005-09-02 08:26 | コンサート
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