ヘンリク・グレツキの交響曲第3番 – 8月24日

PROMSコンサートはあまりにもプログラムが盛りだくさんなので1晩に2回もコンサートが催される場合があります。今夜がそういう日で、最初のコンサートは7時から9時まで、次のコンサートが10時から11時半までの時間帯が割り当てられています。
その中で遅い方のコンサートを聴いてきました。曲目は題名に記した1曲のみです。

Henryk Górecki:交響曲第3番作品36(悲歌の交響曲)
ソプラノ:Susan Bullock
指揮:David Atherton
管弦楽:BBC Scottish Symphony Orchestra

c0057725_22481913.jpgポーランドの作曲家グレツキ(左の写真、日本ではこう表記するようなのでそれに従います)は1933年に生まれ、この曲を1976年に作曲しています。1992年ごろこの曲がCD化されるや爆発的に売れ、世界中にその名を知られました。当時、私にイギリス人の同僚が、これはいい曲だよー、と教えてくれたのでDawn UpshawのソプラノでDavid ZinmanがLondon Sinfoniettaを指揮したものを買いました。確かにいい曲で、その後何度か繰り返して聴いています。しかし実演では聴いたことがなく、今夜が初めてです。

曲は3楽章構成で、第1楽章が15世紀のポーランドの宗教的哀歌をもとに曲をつけたもので、低弦による壮大なカノンが聴き所です。第2楽章はアウシュヴィッツの収容所で18歳の少女が死ぬ前に壁に記した詩をもとに作曲されたもので歌唱もメロディも悲痛な叫びが表現されています。第3楽章は第1次大戦で戦死したポーランド人兵士を思う母の嘆きの叙事詩をもとにしたもので、ちょっとグリークのソルヴェイグの歌を思わせるメロディが含まれています。

主題通り全編を通じて悲しみを表現した厳粛な音楽が流れますが、どこか暖かいところもあり、ポーランド語の歌詞が理解できないことも効いて普通の美しい音楽として聴けてしまいます。

c0057725_22483925.jpg演奏は、スーザン・ブロック(左の写真)のソプラノが心を込めた熱唱で、まさにこの曲にふさわしい雰囲気をたっぷり聴かせてくれました。オケの方は美しい音をゆったりしたテンポで醸しながらも緊張を保持した好演でした。

夜の第2部のコンサートは演奏時間が短いこともあって、入場料は安めなので今日はStallの最前列で聴きました。ソプラノの歌がすぐそばで聴けたのが音響的にも良かった。この席に座って気付きましたがラジオ生放送用のマイクがオーケストラの上に数十本ぶら下がっているのです。驚きました。これをミキシングして放送するわけで、たかがラジオといえども大変な仕事をしているんだなぁと感心した次第です。
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by dognorah | 2005-08-25 22:51 | コンサート
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