ネトレプコの椿姫

c0057725_2124667.jpgザルツブルグ音楽祭で8月7日に公演されたオペラ「La Traviata」はオーストリア放送局によるネット放送がされましたので聴いた方も多いでしょう。私は時間を間違えて第1幕は逃してしまいましたが、第2幕と第3幕は聴きました。負け惜しみじゃないですが、このオペラは華やかな第1幕もいいのですが、第2幕と第3幕の声による感情の表現が聴き所と思っていますので、それは十分楽しめました。PCに録音したので今日も要所を抽出して聴き返して見ました。

しかし、ネトレプコはすばらしかったですね。私は先日ロイヤルオペラで彼女のジルダを聴いたばかりなのですが、あのときの好調さをそっくり維持してザルツブルグに乗り込んだ感じです。64kbpsのWMPというケチな放送にもかかわらず、あのみずみずしい美声は堪能できました。単に美しいだけでなく、揺れ動く心の表現のすばらしかったこと!あの明るい声でもここまで悲しさを表現できるんだと感動しました。特に第3幕のAddio, del passato bei sono pallenti;で始まるアリアの陰影に富んだ歌唱には思わず感涙でした。終了後マリア・カラスのSantini盤で同じアリアを聴き比べてみました。さすがに年季の入ったカラスはさらに劇的で彫が深い表現でしたが、若いヴィオレッタ役としてはネトレプコの歌で十分という気がします。

アルフレードを歌ったヴィラゾンも張りのある声で今まで舞台で聴いた以上に存在感がありました。ジョルジオを歌ったハンプソンは私の大好きなバリトンですが、放送のせいかイメージと違ってちょっと貫禄が足りなかったです。舞台では仮面舞踏会で割りと最近聴いており、あの時は豊かな声量と深みのある声で圧倒されましたが、この放送ではジョルジオ役としてはむしろ声が軽すぎる印象です。

管弦楽はさすがにウイーンフィル、しなやかで美しい弦を響かせながら劇的な表現を楽しむことが出来ました。いい指揮者だったと思います。

舞台は写真で見る限りめちゃめちゃ簡素な現代劇仕様ですね。コスチュームはそれなりに凝っているようですが、私にはちょっとしっくり来ないです。アナウンサーによると歌手に対しては終演後Standing Ovationだったらしいですが、舞台関係者にはどんな反応が出たんでしょうか。

Violetta: Anna Netrebko
Alfredd: Roland Villazon
Giorgio: Thomas Hampson
指揮:Carlo Rizzi
管弦楽:Wiener Philharmoniker
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by dognorah | 2005-08-08 21:12 | オペラ
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