モーツアルトのレクイエム – 7月31日

バービカンホールで開催されていたMostly Mozart Festivalはいよいよ最終日となりました。本日のプログラムは次の通りです。レクイエムを聴きたくて行きました。

モーツアルト:歌劇「イドメネオ」より5つのバレーシーン
ハイドン:ピアノ協奏曲第11番ニ長調
モーツアルト:レクイエム ニ短調 K626

演奏者は、
指揮:John Nelson
管弦楽:Academy of St Martin in the Fields
ピアノ:Leon McCawley
ソプラノ:Rebecca Evans
メゾソプラノ:Alice Coote
テノール:Robert Murray
バス:Jonathan Gunthorpe
合唱:Mostly Mozart Festival Chorus

指揮者ジョン・ネルソンはコスタ・リカ生まれでニューヨークのジュリアード音楽院で教育を受けた人である。アメリカ各地のオーケストラやオペラの音楽監督を歴任した後、現在はフランスに住み、L’Ensemble Orchestral de Parisの音楽監督をしている。

1曲目の曲は多分初めて聴く曲と思うがあまりバレー音楽的な感じのしない堅い音楽または演奏だった。やや退屈。
2曲目も多分初めて聴く曲と思う。このあたりの音楽はハイドンと言われればそうかなという程度でモーツアルトとの差もあまりわからないけれど、音楽としてはとても楽しめる。特に第2楽章は管弦楽もピアノも美しく印象的である。ピアニストは手首の動きがすばらしくしなやかで、音もそれにふさわしい美しさ。19歳のときにウイーンで開催されたベートーベンピアノコンクールで優勝したそうだ。当年31歳。

休憩後はお目当てのレクイエム。
c0057725_2049223.jpg

指揮者が登場すると、最初に観客に向かって口を開く。
「私はアメリカ人として、先日起こった悲劇に対するお悔やみの心を皆様と共有したいと思います。今日のレクイエムを犠牲者の方々に捧げます」

厳かに演奏が開始され、程なくしてコーラスが始まるがすばらしいアンサンブルだ。小規模なオーケストラに合わせてこちらも総勢34人という小規模なコーラスだが実力者揃いで質が高い。各パートとも終始一貫して美しく力強いハーモニーを感じさせてくれた。これがこのフェスティヴァルのためにいくつかのプロフェッショナルグループを寄せ集めて組織されたと書いてあるのだが、それが信じられないくらい質が高い。オーケストラの濁りのない音質と共にこのレクイエムの光と影を存分に描出していたと思う。
独唱者の方は、普段ロイヤルオペラで脇役をやる人たちなので名前は馴染みであるが、バス以外は水準の出来であった。バスはもう少し力強さがほしかった。この人はロイヤルオペラの「マイスタージンガー」でNachtigall役で出ていたのを聴いているのだがそのときは悪いと言う印象はなかったので、今夜はちょっと調子が悪かったのか。
テノールは以前ロイヤルオペラのランチタイムコンサートで「美しき水車小屋の娘」を歌ってくれた人で、ついこの前見た「リゴレット」でも宮廷吏の一人として出ていた。

7月7日のテロ後レクイエムを聴くのはヴェルディに次いでこれが2度目ですがいずれも当然ながら犠牲者に捧げられました。これを書いていると再び涙が出てきます。

終演後は、フェスティヴァルの打ち上げということでホールの中庭で花火が打ち上げられました。周りには結構アパートが立っている市街地なのであまり大規模というわけには行きませんが、日本じゃとてもこんなところでの打ち上げ花火は許可されないだろうなという程度の規模ではありました。シャンパンを飲みながらの花火鑑賞、なかなか気分が良かったです。
[PR]
by dognorah | 2005-08-01 20:53 | コンサート
<< プラシド・ドミンゴ国際オペラ声... セルゲイ・ハチャトリアンのヴァ... >>