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セルゲイ・ハチャトリアンのヴァイオリン演奏

BBC PROMSでショスタコーヴィッチのヴァイオリン協奏曲第1番を演奏したときのTV中継放送(7月29日)を見ての感想を。

演奏曲目:Shostakovich Violin Concerto No.1 in A minor
ヴァイオリン:Sergei Khachatryan
指揮:Vassily Sinaisky
管弦楽:BBCPhilharmonic

セルゲイ・ハチャトリアンのヴァイオリン演奏_c0057725_195926.jpg今年のQueen Elisabeth音楽コンクールでダントツのパフォーマンスで優勝した二十歳のヴァイオリニストである(コンクールの様子についてはここが詳しい)。アルメニア生まれだが、同国の有名な作曲家と血のつながりがあるのかどうかは知らない。左の写真は演奏中のハチャトリアン。

まだあどけなさが認められる若さだが、演奏中は深い思索の顔になり、曲の表現に没頭しているさまが伺われる。ゆっくりしたテンポで思いっきり美しい音色を響かせるが、音色だけでなく洞察に満ちた深淵な表現でショスタコーヴィッチはこれ以外の解釈はありえない、と断言するがごとくの確固とした演奏である。非常に印象的で、この曲がショスタコーヴィッチの代表作の一つであることを強く納得させてくれる。先般、木嶋真優さんによる同曲のリハーサルを聴いたが、リハーサルであることを割り引いてもセルゲイの方が一枚上かなと思わずにはいられない。なお、管弦楽もヴァイオリンにぴったりと合わせた格調の高い演奏で、曲想をより盛り上げていた。

上記コンクールで優勝したおかげで、褒美として日本音楽財団所有のストラディヴァリウスを4年間貸与されているそうだ(参照)。
アンコールに無伴奏を一曲弾いてくれたが、それも哲学的な表現ですばらしかった。

ヴァイオリンをこの大ホールで聴くのは無謀と思って実演には行かなかったが、小さめのホールでやるときにはぜひ聴いてみたい。
by dognorah | 2005-07-30 20:03 | 音楽 | Comments(2)
Commented by おさかな♪ at 2005-07-31 09:02 x
わー、バイオリンのソリストさんらしい堂々とした演奏姿ですね!
集中力も技術力も、そして表現力も高そう。。。
セルゲイさんってブログのお陰でおさかな♪でも知ってました。何かホントに圧倒的にすごいらしいです。Dognorahさんのお陰で、懐かしいBBC放送を堪能できて嬉しい・・・♪
バイオリニストってなぜか明るい人が多いので、ソロを聴いても何か気が晴れます。バイオリンは思い切り演奏するとすっきりして、ピアノのように間違えないように。。。というストレスがない楽器です。
いつかセルゲイさんの演奏を聴いてみたいなぁー。
Commented by dognorah at 2005-07-31 20:53
おさかな♪さん、こんにちは。

>バイオリニストってなぜか明るい人が多いので・・・

おさかな♪さんもとても明るい人ですよね。

>ピアノのように間違えないように。。。

なんか逆だと思ってました。ヴァイオリンって心に思った高さの音が自然に出るんですね?
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