2012年6月17日、バービカンホールにて。
Brahms Symphony No 3 Webern Six Pieces for Orchestra Schumann Symphony No 3, 'Rhenish' Vienna Philharmonic Orchestra Sir Simon Rattle conductor 大好きなブラームスの第3番、始まってすぐに久しぶりに聴くヴィーンフィルの柔らかく厚みのある弦にヒーヒー言ってしまいました。冒頭部だけで幸せになります。 ラトルの指揮はいつものように確信に満ちた憑かれたような棒捌きで、豊麗な音と饒舌さに圧倒されました。熱演過ぎてちょっとオケのアンサンブルが乱れる部分もありましたが美しく迫力がありスケールも大きい演奏は過去に聴いたどんな演奏よりも心を打つものでした。この曲の中でも特に気に入っている第3楽章は退廃的な気だるさに惹かれるのですが、今日の演奏ではもう少し健康的なニュアンスで肩すかしではありました。でもそれにも勝る緻密な美しさのためにあまり不満は感じられませんでした。第4楽章の凄まじい盛り上がりの後の静かさがまた納得のいく対比で印象深い終わり方です。この曲だけでおなかが一杯、もう帰ってもいいと思ったぐらいです。予定を変更してこの後すぐにインターヴァルになったのはよい計らいでした。 ヴェーベルンの曲は初めて聴く音楽ですが気品の高いアンサンブルで提示される各テーマはなかなか面白く、結構楽しめました。短い曲ながら大編成の管弦楽です。この曲だけはラトルも譜面を見ながら指揮です。 ラトルの指揮するシューマンは3-4年前に聴いた古楽管弦楽団OAEのもの以来ですが、今回は通常のオーケストラなのでどうなるか楽しみでした。あれっと思ったのはヴェーベルンが終了するとすぐにかなりの弦楽器奏者が退場したことで、音の透明性を高めるためでしょうか。しかし第1楽章の始まりではそれまでと違って弦楽器のギスギス感が少し出てきて、やはり急な人数変更でアンサンブルに支障を来したかという感じでした。第1楽章の後半ではそれはなくなりましたが。 演奏はここでもスケールの大きい堂々たるものでラトルのエネルギーをまともに浴びる感じです。ブラームスと同様やはり饒舌でシューマン節というかラトル節を大いに楽しみました。OAEとの演奏とはそれほどかけ離れていない印象でしたが奏者を間引いて透明性を保った効果かも知れません。 全体としてはそれほど演奏時間の長いコンサートではなかったし、聴衆も大いに沸いたのですがアンコールは無し。
by dognorah
| 2012-06-23 01:00
| コンサート
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