ヴェルディのオペラ「ファルスタッフ」新演出初日

2012年5月15日、ROHにて。

Falstaff: Commedia lirica in three acts
Music: Giuseppe Verdi
Libretto: Arrigo Boito after William Shakespeare's plays "The Merry Wives of Windsor" and "Henry I and II"

Director: Robert Carsen
Conductor: Daniele Gatti

Sir John Falstaff: Ambrogio Maestri
Alice Ford: Ana María Martínez
Ford: Dalibor Jenis
Meg Page: Kai Rüütel
Mistress Quickly: Marie-Nicole Lemieux
Nannetta: Amanda Forsythe
Fenton: Joel Prieto
Dr Caius: Carlo Bosi
Bardolph:Alasdair Elliott
Pistol: Lukas Jakobski
Royal Opera Chorus
Orchestra of the Royal Opera House

4年前にヴィーンで初めて見て以来の経験です。ROHは10年ぐらい前にやったらしいですが私はそのときはパスしているのでROHとしてはこれが初めてです。10年前のプロダクションはそれっきりでお蔵入りし、今回はカーセンによる新演出です。2回しか見ていなくてこういうのも何ですが、このオペラは第2幕まではよく書けているものの第3幕の出来が悪く、全体としては魅力の薄いオペラになっている印象です。ヴィーンのプロダクションもカーセンの新演出も第2幕までは共によくできていると思うのですがやはり第3幕は救いようがない感じです。再演されても見に行くかどうか微妙ですね。

さてカーセンの演出ですが完全に現代に読み替えたもので、各シーンとも部屋の出来や家具調度も立派なもの。第2幕ではモダンで広々としたキチンが設営されますが、このシーン後半のドタバタから第3幕にかけての群衆処理はあまり感心しません。特に第2幕でフォードが手下を大勢連れてきてファルスタッフを探し回る部分で、戸棚の中のものをすべて床の上に投げ出すシーンなど不愉快でちっとも面白くありません。カーテンコールで結構彼に対するブーが出ていたのはそういうところに原因があるのではないかと思いました。

音楽の方は、とにかくガッティの指揮がすばらしく、これだけ饒舌に質の高い音楽をこのオケから引っ張り出すのを目の当たりに見ると、最近とてもすばらしい音楽を作るようになったといつも私がほめているパッパーノも色あせて見えてしまいます。これは経験とかじゃなくて持って生まれた資質なんでしょうね。この人がオペラを指揮するのを見るのは4年前のバイロイトでの「パルジファル」以来2回目で、もちろんROHでは初めてですが、もっともっとオペラを指揮して欲しい人です。

歌手の方は全員それぞれの実力を出し切っている印象で、なかなかよかったです。主役のマエストリは4年前のヴィーンでも歌った人ですが今日はそのときより遙かにだみ声が少なく、迫力ある歌唱でした。演技もなかなか堂に入ったもので、大いに笑わせてくれました。このオペラではアリーチェ役が女声陣の筆頭でしょうけれど、歌唱的には前回と同様ナンネッタとフェントンが楽しめます。今回の二人もかなり楽しませてくれました。フォード役もとてもよい出来で、文句なし。

Robert Carsen & Daniele Gatti
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Ambrogio Maestri
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Ana María Martínez
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Joel Prieto & Kai Rüütel
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Marie-Nicole Lemieux & Amanda Forsythe
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Dalibor Jenis & Ana María Martínez
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by dognorah | 2012-05-17 06:33 | オペラ
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