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ROH公演「ラ・ボエーム」

2012年5月5日。

Puccini: La bohème
Conductor: Semyon Bychkov
Director: John Copley

Marcello: Fabio Capitanucci
Rodolfo: Joseph Calleja
Colline: Matthew Rose (Yuri Vorobievの代役)
Schaunard: Thomas Oliemans
Benoit: Jeremy White
Mimi: Carmen Giannattasio (Anja Harterosの代役)
Parpignol: Luke Price
Musetta: Nuccia Focile
Alcindoro: Donald Maxwell
Customs Officer: Christopher Lackner
Seargeant: Bryan Secombe

ラ・ボエームを見るのは久しぶりながらお目当てのアンヤ・ハーテロスが降板してしまってかなり興味が薄れた公演となってしまったけれど、代役のカルメン・ジアンナッタシオはまあまあの歌唱だったし、ロドルフォを歌ったジョセフ・カレジャはすばらしいの一語に尽きる満足すべき出来だったので良しとしなければならないでしょう。
ジアンナッタッシオは2002年にパリで開催された「プラシド・ドミンゴ国際オペラ声楽コンクール」で優勝したソプラノで、私は過去にドニゼッティのオペラ「パリシーナ」の題名役とロッシーニのオペラ「エルミオーネ」のやはり題名役で聴いていますが、パリシーナはすばらしくエルミオーネはまあまあの歌唱だったので今日はどうかなと思って聴いていました。しかし第1幕はあまり調子が上がらず、「私の名はミミ」は全く感動のない歌唱でがっかり。テンポも遅すぎです。その直前のカレジャがブラヴォー飛び交う大拍手だったのに彼女の場合が拍手もぱらぱらという状態。ところが第3幕と第4幕は俄然よくなり、大いに歌唱を楽しめました。こうなると彼女の舞台上での容姿の可憐さと連動してますます引込まれることになりました。
カレジャは今まで何度も聴いている人ですがいつも安定してすばらしい歌唱をする人という印象があり、今回も例外ではありませんでした。
ムゼッタを歌ったヌッチア・フォチレはそれほど印象的な歌唱ではなく、まあまあというところ。
マルチェッロを歌ったファビオ・カピタヌッチは大変立派な歌唱で聴き応えがありました。
最近はコンサートでよく聴いているビチコフがオペラを振るのは1年半ぶりに見ましたが、こういう演目も振るのはちょっと意外でした。しかし文句なしの指揮でレパートリーの広い人です。

Nuccia Focile, Carmen Giannattasio & Joseph Calleja
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Fabio Capitanucci
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Joseph Calleja
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Carmen Giannattasio
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Semyon Bychkov
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Carmen Giannattasio
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ところで今日はちょっと変わった趣向がBBCとの共催で催され、そのために第2幕を2回見ることになりました。催しとは素人の指揮者(しかし名前はTVなどで比較的知られている人たち)にオペラを振らせて誰が一番出来がよかったかを競わせるもので、その中で優勝した人が実際にROHのピットに立って実舞台を振るというものです。ということでこの余興は主要歌手と指揮者を変えて(他の出演者とオケはそのまま)第2幕だけ上演したのでした。
指揮に挑戦したのはMr. Trever Nelson(Broadcaster and presenter), Miss Josie Lawrence(Actress), Professor Marcus du Sautoy(Mathematician, author and presenter) and Mr. Craig Revel Horwood(Director and choreographer)の4人で、優勝したのはHorwood氏です。

出演者は、Susana Gaspar(Mimi), Pablo Bemsch(Rodolfo), Madeleine Pierard(Musetta), Daniel Grice(Schaunard), Jihoon Kim(Colline), Zhengzhong Zhou(Marcello)で全員ROHのJet Parker Young Artists Programmeに属している人たちです。この中ではムゼッタ役のニュージーランド人ソプラノが歌も上手く長身の舞台映えする美人で印象に残りました。
指揮者は素人とはいえ、なかなか上手く指揮をしていましたが、やはりこの人の職業を考えると音楽に接することが多そうで有利なんでしょう。なお、この様子は5月18日にBBC Twoで9時から放映されます。

中央の燕尾服がCraig Revel Horwood、左側はムゼッタを歌ったMadeleine Pierard
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by dognorah | 2012-05-09 02:26 | オペラ | Comments(0)
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