16歳のピアニストJan Lisieckiの感動的演奏

2012年3月9日、バービカンホールにて。

Jan Lisiecki: piano
Jiří Bělohlávek: conductor
BBC Symphony Orchestra

Mozart: Piano Concerto No.20
Mahler; Symphony No.7

最初の曲のピアニストについては事前に何の調査もせずに臨んだ演奏会でした。
舞台に出てきた長身の人を見て「ああ、随分若い人なんだ」ぐらいにしか思わなかったのですが、演奏が始まると「この人はいったい何者?」と思わせるすばらしい響きに完全に引き込まれてしまいました。音の一音一音がとても美しい上、まるで細いガラス細工のように繊細な表現が心の襞に染みこむような感触を覚えます。第1楽章や第3楽章のカデンツァにも心を捉える説得力と美しさがあります。ビエロフラーヴェクの指揮するオケは序奏部のテンポがやや速過ぎるのが気になったもののピアノとのコンビはすばらしく、小編成故の美しいアンサンブルと相俟って密度の高い演奏でした。ピアニストにはブラヴォーを進呈。この曲は何度も聴いたことがありますがこんなに感動したのは久しぶりです。
家に戻ってからこのジャン・リシエッキ(と読むのでしょうか)というピアニストを検索したら1995年生まれの16歳という事実が現れ、驚愕しました。ポーランド人両親のもと、カナダで生まれて教育を受けた人でした。アンコールに呼び戻されて演奏する前に聴衆に話しかける落ち着いた態度から度胸の据わった人でもあるようです。なお、アンコールはモーツァルトのソナタ第11番の第3楽章「トルコ行進曲」でした。
こういうことがあるから生の演奏会は楽しい、ということを再発見したのでした。

Jan Lisiecki & BBC Symphony Orchestra conducted by Jiří Bělohlávek
c0057725_6404637.jpg

c0057725_641226.jpg


2曲目のマーラー7番がまたすばらしい演奏で、今日は密度の高いコンサートでした。
ビエロフラーヴェクは強弱を特別に強調せず、むしろサラッとメロディを流していくだけのように思えましたが、それがツボにはまった感じで、終始聴き惚れました。この曲は豊富な楽想がぎっしり詰まったような構成ですが、こういうスタイルの演奏は自然体でマーラーを歌わせるような印象受けます。それが功を奏しているのでしょうね。尤も、過去に聴いた様々な演奏はすべて名演でしたから、どういうスタイルでも聴かせてしまうポテンシャルが曲自体にあるのでしょうけど。私のなかでは第6番と共に最も好みの曲です。
BBC交響楽団の音の響きもなかなかのもので、よいアンサンブルでした。なお、第2楽章のカウベルのうち舞台裏で鳴らされるものはパイプオルガン並びにある小窓の内側に据えられて演奏時は窓を少し開放して音量を調節していました。またマンドリンやギターは通常の楽器のなかに目立たないように配置されていましたが、音はどうしても目立ってしまいますね。
[PR]
by dognorah | 2012-03-13 06:45 | コンサート
<< ティッチアーティ指揮LSO演奏会 ECOのコンサート >>