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デイヴィッド・ホックニー展

2012年1月24日、Royal Academy of Artsにて。

David Hockney - A Bigger Picture at Royal Academy of Arts
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1月21日より一般公開されている上記展覧会を見てきました。
ホックニーの展覧会は6年前に見ただけなので随分久しぶりです。その後今日に至るまで彼は精力的に作品を描いています。アメリカでも描いていたのでしょうけれど、毎年のように故郷のYorkshireに戻り、風景画をものにしてきたようです。しかもそれが大作揃いで、今回の副題にあるように思い切り大きな画面に描いています。しかも現場でイーゼルを立てて描くという力の入れようです。下の写真は実際に彼の作業姿を写真に撮ったもので、これはネットから拝借しました。
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彼は以前にもコンピュータを使って作品を仕上げ、それをプリントアウトするということもやっていますが、現在はコンピュータの代わりにiPadを使っています。その様子は会場で写真展示されていましたがあのiPadの小さな画面に実に精緻に風景を描いているのに感嘆しました。その様子をやはりネットで拾った写真でお見せします。
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それを等身大と思える大きな紙にプリントアウトして何十枚も展示していましたが、美しいものです。特に気に入ったものはそこから油彩でキャンヴァスに描き直し32枚のパネルを合成して展示されていましたが、圧巻です。その絵は写真が提供されていないのでここでお見せできませんが、大きいという点では冒頭の油彩画も相当なもので、風景と色に圧倒されます。非常に印象的な絵です。これは恐らく現場でスケッチしてからスタジオで仕上げたものでしょう。大きなパネルを15枚組み合わせたものです。一枚のパネルが目の子で推量してISOのB列とするとそれは1m x 1.4mなので、この絵の大きさは縦3m、横7mということになります。先の最大のものは縦4m、横11.2mということになるでしょうか。
大きさだけでなく、絵画としての完成度も高く、多くの絵から暫く佇まなくてはいられない深い感銘を受けました。絵を見て心が高揚するのにそれらの絵に囲まれていると逆に心が安らかになります。けれども大きなエネルギーも貰えるのです。不思議な体験です。展示されている作品数が多いこともありますが一枚一枚じっくり見ることになるので、最後の作品に到達するまでに2時間半もかかりました。これは私としては近来希に見る長時間です。久しぶりに全精力を傾けて見させて貰いました。
作品の中には同じ風景を季節や時間を変えて何枚も描いたものがありますが、晩年のモネに似た心境に達しているのかも知れません。

いくつか感銘を受けた作品の写真を掲げます。すべてネットで拾ったものです。
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余談ですが、彼がゲイであることは広く知られています。その彼と親しい友人関係にあった英国下院議員のエピソードを紹介しましょう。まだ英国ではゲイが一般に認知されていないときの話ですが、その下院議員がある時、議場でゲイを攻撃する演説をぶったのです。それを聞いたホックニーが激怒し、抗議の手紙をその議員に送りつけました。「友達面していたのは何だ!この裏切り者!云々・・・」手紙を開封した秘書(私の友人)がそれをボスに見せたところ直ちに破棄するように指示されたので彼女はそれに従ったのですが、現在は大いに後悔しているそうです。指示を無視して保存しておけば大きな価値が付いたであろうにと。
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by dognorah | 2012-01-31 09:17 | 美術
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