2011年12月23日、バルセロナのLiceuにて。
Linda di Chamounix : Melodramma semiserio en tres actes Música: Gaetano Donizetti Llibret: Gaetano Rossi Part I (preludi i acte 1): 65 mino . Entreacte: 30 mino . Part 11 (acte 11 i 111): 110 mino Durada total aprox: 3 h i 35 mino Divendres, 23 de desembre de 2011 Direcció musical : Marco Armiliato Direcció d'escena : Emilio Sagi Marques de Boisfleury : Bruno de Simone Carlo : Juan Diego Flórez Prefecte : Simón Orfila Antonio : Pietro Spagnoli Pierotto : Silvia Tro Santafé Intendent : Jordl Casanova Maddalena : María José Suárez Linda : Diana Damrau 今年の2月に続いてまたバルセロナに来ました。今回のお目当てはフローレスとダムラウの共演です。 このオペラは2年前にROHでコンサート形式を見ただけで、実舞台を見るのはこれが初めてです。 舞台は原作の18世紀ではなく現代に置き換えています。第1幕は林立する白い円柱が恐らく林を表しているのでしょう、村人達も白を基調にした衣装で、円柱の間間に造花の花がばらまかれて美しい村の様子を描いています。侯爵が現れる場面では円柱はすべて上に引き上げられ、自動車が走ってきて彼は後部座席から降りてくる設定です。第2幕のパリのアパートは室内の美しくデザインされた階段が正面に据えられた素敵なものです。第3幕への休憩無しの場面転換ではそれがそっくり丈夫に引き上げられて一瞬のうちにシャモニー村の広場になります。それはごく普通の村の広場に白いテーブルがいくつも置かれて正気を失ったリンダがその上を歩き回る設定です。演出的には、第2幕のパリでの豪華な生活はボアフレリー侯爵のお金で成り立っているのかそれともカルロのお金なのかあまりはっきりしません。以前読んだあらすじではカルロの援助で生活とありましたが、ボアフレリー侯爵もその家にやってきてまるで自分の家でくつろぐような仕草でしたから。 フローレスは相変わらず旨い歌唱で、久しぶりに彼の声を堪能しました。各アリアでの会場の興奮も凄いものがありました。 ダムラウはこの7月にバーデンバーデンで見て以来ですが、かなり痩せてほぼ元通りの体型になったのではないでしょうか。歌唱はこちらも相変わらずのうまさで、コロラトゥーラもころころとよく転がってすばらしいものでした。ほとんど疵のない歌唱はROHのコンサート形式で聴いたグティエレスより遙かに楽しめます。 ピエロット役のシルヴィア・トゥロ・サンタフェはこれで3回目の経験ですが、今までの中では最も上出来で、いつでもこれぐらい歌ってくれたらいい歌手だなぁと思うのですが。 リンダの母親役マッダレーナを歌ったマリア・ホセ・スアレスも美しい声でした。 リンダの父親アントニオ役のピエトロ・スパニョーリは2年前のROHでの「セビリアの理髪師」のフィガロ以来ですがこの人も相変わらずと形容できる安定した歌唱で大変楽しめました。 司祭役を歌ったバスのシモン・オルフィラの声も深みと迫力があって大変楽しめました。 ボアフレリー侯爵を歌ったブルーノ・デ・シモーネはまあまあの出来。演出的にもあまり笑いを取る出来ではなかったです。コルベッリだったらよかったのに。 合唱は第1幕第3幕とも美しい出来でした。 ドニゼッティが得意な指揮者マルコ・アルミリアートの演奏は今回もすばらしく、英語字幕が無くて音楽に集中するしかない当方としては至福の時でした。 ということで今回のリセウも本当に来てよかった、という思いでした。 余談ですが、翌日夜にホテルでTVを見ていたらROHの「セビリアの理髪師」の録画を流していました。そこではスパニョーリのフィガロとフローレスのアルマヴィーヴァ伯爵が映っており、この二人を実舞台とTVで続けて見たことになります。 Simón Orfila & Pietro Spagnoli Bruno de Simone & María José Suárez Silvia Tro Santafé
by dognorah
| 2012-01-01 08:25
| オペラ
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Comments(2)
新年明けましておめでとうございます。2012年も実り多きよい年になりますよう。
『シャモニーのリンダ』、バルセロナでご覧になったんですね。主役二人が好調のようでなによりです。ダムラウは、実物を拝見したことがないのですが、先日TV放映されたミュンヘンの『ホフマン物語』での4役も素晴らしかったです。11月の公演の録画なんですが、産後の肥立ちがよいらしく肉付きが立派だなあ、と思いましたが、あれがほぼ本来の体型なんですね。。。 わたしも、来シーズンはリセウ・デビューできそうです。
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dognorah at 2012-01-01 22:26
レイネさん、あけましておめでとうございます。私事多忙にて大変ご無沙汰してしまいました。でも、この状態はまだまだ続きそうです。
来シーズンのリセウというと何をご覧になるんですか? ダムラウはROHでデビューした「夜の女王」ではもっと痩せていた記憶があります。
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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