コンサート形式の「ギョーム・テル(ウイリアム・テル)」

2011年7月16日、RAHにて。

Rossini: Guillaume Tell (concert staging; sung in French)

Michele Pertusi: Guillaume Tell ウイリアム・テル (バス、スイスの愛国者)
John Osborn: Arnold Melchthal アルノール・メルクタール (テノール、スイスの愛国者)
Matthew Rose: Walter Furst ヴァルター・フルスト(バス、スイスの愛国者)
Frédéric Caton: Melchthal メルクタール(バリトン、アルノールの父、村長)
Elena Xanthoudakis: Jemmy ジェミ(ソプラノ、テルの息子)
Malin Byström: Mathilde マティルデ(ソプラノ、ハプスブルク家の王女)
Nicolas Courjal: Gesler ジェスレル(バス、オーストリア人総督)
Carlo Bosi: Rodolphe ロドルフ(テノール、ジェスレルの警備隊長)
Celso Albelo: Ruodi リュオディ(テノール、漁師)
Mark Stone: Leuthold ルートルド(バリトン、羊飼い)
Davide Malvestio: Huntsman 狩人 (バリトン)
Patricia Bardon: Hedwige エドヴィージュ(メゾソプラノ、テルの妻)

Orchestra and Chorus of the Academy of Santa Cecilia, Rome
Antonio Pappano conductor

初めて聴く音楽にもかかわらず、大感激のすばらしい演奏でした。ロッシーニの最後のオペラだけあって、実によく練られたロッシーニらしい曲想がふんだんに使われたオペラです。リブレットがイタリア語ではなくフランス語だというのがちょっと奇異に感じられましたが、それを抜きにしてももっと頻繁に上演されるべきオペラだと思いました。そう思わせたのは出演者たちの達者な音楽のせいでしょう。パッパーノ指揮の管弦楽とコーラスは第一級の演奏、独奏者たちもすべて文句なしの歌唱で、さすがパッパーノ、満足すべき歌手たちを揃えていました。

タイトルロールのバリトン、ミケーレ・ペルトゥージは過去にヴィーン国立歌劇場で聴いたことがあって、そのときと同様非常に上出来の歌唱というわけではないにしても十分楽しめる歌唱でした。
ストーリーとしてはよく知られているように輝の息子の頭にのせたリンゴを矢で射るように強制されるなど悪代官ジェスレルとスイスの人たちとの戦いですが、オーストリア王女とスイスの若者の恋という挿入エピソードを絡めてオペラらしい筋になっています。その恋人たちを演じるテノールのジョン・オズボーンとソプラノのマーリン・ビストロームの歌唱がすばらしく、これによって本日の公演は非常にハイレヴェルになったと思います。

オズボーンは昨年のROHのコンサート形式「真珠採り」で初めて聴いて感心した人ですが今日も艶のある美しい声と朗々とした歌唱に酔いました。
ソプラノはスエーデン人で長身の美人ですが、深みのある豊かで美しい声と大きな声量に圧倒されました。来期のROH公演で「ファウスト」のマルゲリート役をゲオルギューとシェアして歌うことになっていて、私はリハーサル券を取っているのでひょっとしたら舞台姿を見れるかも知れません(ゲオルギューはダブルキャストの場合、リハーサルには出演しないことが多いのです)。

以上のように感動を与えてくれる演奏で、これは是非舞台で見たいオペラという印象を強くしました。

今日の席は舞台から遠くて斜めなのであまりいい写真は撮れませんでしたが数枚掲載しておきます。

左からAntonio Pappano、Patricia Bardon、Malin Byström
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Michele Pertusi、John Osborn
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John Osborn、Malin Byström、Elena Xanthoudakis
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by dognorah | 2011-07-18 21:59 | オペラ
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