ヘンデルのオペラ「リナルド」

2011年7月2日、グラインドボーン・オペラにて。

Georg Frideric Handel: Rinaldo
Glyndebourne Festival 2011
Conductor Ottavio Dantone
Director Robert Carsen

Rinaldo Sonia Prina
Goffredo Varduhi Abrahamyan
Eustazio Tim Mead
Almirena Anett Fritsch
Armida Brenda Rae
Argante Luca Pisaroni
A Christian Magician William Towers

Orchestra of the Age of Enlightenment

今年のグラインドボーン・オペラの新演出演目で、その初日を見てきました。
カーセンはどんなことをやるのかと思ったら、ヘンデルの結構まじめなストーリーを喜劇的に演出していて、かなり笑わせてもらいました。
原作では第1次十字軍の遠征でエルサレムをイスラム側から奪還するストーリーですが、序曲が始まると舞台はイギリスの高校らしい教室で、生徒たちが入ってくると一人の男の子がいじめに遭っています。そこに男性と女性の教師がやってきて、いじめにあった子は悪ふざけしていたと誤解されて鞭で打たれたりします。授業は歴史の時間で丁度第1次十字軍の話らしい。いじめっ子は想像力がたくましくて、自分がリナルド、男性教師がイスラム軍の将軍アルガンテ、女性教師がその愛人でダマスカスの強力な巫女アルミーダに見立てて彼らの率いるイスラム軍をやっつける妄想に耽ります。そこからオペラの第1幕になって、まずは味方の十字軍の将軍ゴッフレドやその弟のエウスタチオが黒板の向こうから現れて、まずは自分をいじめたクラスメートたちをやっつけさせます。その後から恐らくリブレット通りの展開になるのだろうと思いますが、リナルドの恋人のアルミレーナとの結婚をエルサレム陥落後に設定して、戦いが進行していきます。
途中、二人のマーメイドがリナルドを騙して連れ去る部分ではマーメイドの代わりにアルミレーナのそっくりさんを8人くらい用意していろいろな所作で爆笑でしたし、第3幕最後の両軍の戦いは地球の絵柄を描いたボールでサッカーの試合をするようになっていて、十字軍側がゴールを決めたところで勝負あり、等カーセンは大ふざけでした。しかしこれはこれで面白い演出と思いました。

歌手は皆さんとても上手く、ソニア・プリナは声量はそれほど無いもののさすがの歌唱、先日ウイグモアでリサイタルを聴いたルカ・ピサロニのオペラ舞台は初めて経験しましたが他を圧する迫力ある歌唱で大いに楽しみました。二人のソプラノ、アネット・フリッチュ、ブレンダ・レー共にいい声でしたし、メゾ・ソプラノのヴァルデュヒ・アブラハミアンやカウンターテノールのティム・メッドも不満はありません。
指揮は、第1幕はもう少し生き生きした音楽作りが欲しいところでしたが、第2幕と第3幕はこなれてきて楽しめました。

今年は実はグラインドボーンの切符を積極的にチャレンジしなかったので安い切符は全く取れず、あきらめていたのですが、友人からこの演目の切符を譲り受けることが出来、仲間と一緒に行けた上、舞台も結構楽しめましたのでハッピーです。

歌手全員のカーテンコール
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Sonia Prina
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Luca Pisaroni
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Ottavio Dantone & Anett Fritsch
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Brenda Rae
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Robert Carsen between Sonia Prina and Ottavio Dantone
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by dognorah | 2011-07-05 08:36 | オペラ
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