ブリテンのオペラ「ピーター・グライムズ」

2011年6月21日、ROHにて。

Peter Grimes: Opera in a prologue and three Acts
Composer: Benjamin Britten
Libretto: Montagu Slater after George Crabbes's Poem ' The Borough'

Original Director: Willy Decker
Revival Director: François de Carpentries
Conductor: Andrew Davis
Royal Opera Chorus
Orchestra of the Royal Opera House

Peter Grimes: Ben Heppner
Ellen Orford: Amanda Roocroft
Captain Balstrode: Jonathan Summers
Swallow: Matthew Best
Mrs Sedley: Jane Henschel
Auntie: Catherine Wyn-Rogers
Ned Keene: Roderick Williams
Hobson: Stephen Richardson
Rector: Martyn Hill
Bob Boles: Alan Oke
First Niece: Rebecca Bottone
Second Niece: Anna Devin
Dr Crabbe: Walter Hall

初めて見るオペラですが、ブリテンらしく暗い雰囲気のものです。地方の漁村の息詰まるような空気に加えて弱者を救うどころか大衆を煽ってそれを助長するような教会などやりきれない社会が余すところ無く描かれているのは演出のなす技かも知れませんがブリテンもそれを表現したかったと思われます。音楽はとても美しくかつ冷徹な表情が印象的で、アンドリュー・デイヴィスの指揮はまさにこのオペラの音楽を描出していました。管弦楽の音も冴えてさすがに彼の棒は凄いものがあります。ストーリー的にはちょっと登場人物が多すぎて誰が誰だかわからない面があり、もう少しすっきり出来なかったのかな、という印象を受けました。
歌手では、ベン・ヘプナーが今日はかなりまともな歌唱で、雑なところもあるもののさすがと思わせるいい声も時たま聴けました。過去、「トゥーランドット」で聴き「トリスタンとイゾルデ」では見ただけですが今回が一番まともでした。
エレン・オーフォード役のアマンダ・ルークロフトはかなりいい声がよく出ていて不満はありません。他の歌手も概ねよい歌唱で、全体的には結構レヴェルの高いものでした。
演出は鋭い視点で先に言ったようなブリテンの意図をよく伝えているものです。舞台は白黒の簡素なもので唯一第3幕の仮面舞踏会の場で着飾った人々によって色彩が使われているだけですが、演出の意図からすれば全く妥当なものでしょう。オリジナルの舞台はブリュッセルのモネ劇場のものということです。METのジョン・ドイル演出のDVDを持っていますが、今回の演出に比べると生ぬるさを感じます。

Ben Heppner
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Amanda Roocroft、左後ろはJane Henschel
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With the conductor Andrew Davis
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by dognorah | 2011-06-23 07:38 | オペラ
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