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ユーロフスキー指揮ロンドンフィル

2011年5月4日、RFHにて。

Richard Wagner: Overture, Die Meistersinger von Nürnberg
Richard Strauss: Four Last Songs
Peter Ilyich Tchaikovsky: Symphony No.5

Vladimir Jurowski conductor
Christine Brewer soprano
London Philharmonic Orchestra

コーラス席に座ったので目の前のティンパニーの音が目立ち、えらくバランスの悪い音響を聴く羽目になってしまった。両翼配置で低音群がすべて指揮者から見て左端だったのも影響している。マイスタージンガー序曲とチャイコフスキーの第5番は特にその影響が強くてあまり楽しめなかった。

マイスタージンガーは今年のグラインドボーンでユーロフスキーがLPOを指揮する演目なので本日のプログラムに選ばれたものである。テンポは私的にはやや速めながら、まとまりの良さは認められる。オペラの切符は早々と売り切れて、会員でもない私には全く買うチャンスはなかった。

次の「4つの最後の歌」は弦楽器が活躍するので上記欠点はあまり気にならず、またソプラノのクリスティーネ・ブリューワーがあまりにもすばらしく、本日最も楽しめた演目だった。彼女の全く破綻のない美しい歌唱には心から感動した。第3曲の「眠りにつくとき」が特段感情の籠もった表現だった気がする。

チャイコフスキーの第5番はやや速めのテンポで力に任せてぐいぐい引っ張っていく印象だったが、現代に即したスタイリッシュな演奏とも言えるだろう。聴衆からは大きな歓声と拍手が出ていた。しかし何度聴いてもあまり好きになれない曲だ。
by dognorah | 2011-05-08 00:15 | コンサート | Comments(2)
Commented by Hanna at 2011-05-09 21:36 x
初めてコメント致します。

この演奏会、私も足を運びました。仰る通り、ユロフスキーはいつもながらスタイリッシュでしたね。彼のテンポの速さやスタイリッシュさは、曲目によってはマイナスになりますが、今回の演目にはぴったりでした。

マイスタージンガーもチャイ5も演奏経験がありますが、特にチャイ5は技術的にも難しい曲です。Vnの早弾きをはじめ、オケがユロフスキーに必死に着いて行こうとしていて、指揮者とオケの関係のよさを感じました。私はユロフスキーの真後ろの席でしたが、フィナーレ部分で、彼が声をかけたらペットが明らかによくなったのも印象的でした。

ソプラノはシュトラウスの微妙なさじ加減を完璧に表現していましたね。退廃的な美しさに酔いしれました。

貴ブログの他記事も拝見しましたが、カンディンスキーといいモロッコといい、興味の対象が似通っているようで、何だかうれしく思います。今後も頻繁に遊びに伺いますので、宜しくお願い致します。
Commented by dognorah at 2011-05-10 01:23
Hannaさん、初めまして。楽器を弾かれるんですね。羨ましいです。
私はユーロフスキーのファンでもあり、結構彼のコンサートは聴いていますが、仰る通りいいときは本当にすばらしいですね。先日ROHのパッパーノ、ENOのガードナーとの対談会を聴きましたが、彼はやりたくない演目(オペラですが)がはっきりしていて面白かったです。普通のコンサートでもしっかり選別して不得意なものは取り上げないようにしているんでしょうね。生まれからしてロシアものは避けては通れませんが。

今後ともよろしくお願いいたします。
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