最近ウェブで魅力的な映像が配信されることが多々あり、PCに録画できればなぁということも多い。そこでそれに挑戦してうまく行ったのでやった作業を自分のメモ代わりに記しておきます。
(A) FLVのダウンロード 最近ウェブサイトで提供されているオペラ映像(ヘンデルのアルチーナ)のことを紹介したが、割りといい画質で見ることができるのでPCに録画してみることにした。 この手のStream VideoはYouTubeと同様FLV形式で放送されているので、まずこれをダウンロード(DL)できるソフトを探してみた。フリーソフトもいくつか出ているが、どれもあまりうまく行かなかった。送信側がDLできないようにいろいろ工夫しているせいだろう。YouTubeのように制限していないサイトでは大抵うまく行くが。 そこで有料ソフトも試してみた。ほとんどのものはテストする目的のために性能や期限を制限して試用できるものを提供してくれている。いくつか試した中で、まあまあ役に立つものがあったのでそれを購入することにした。Replay Media Catcher 4というソフトで、アメリカの会社の製品である。(これをイギリスで購入すると25ポンドという。ところが購入オプションというものが用意されていて、スポンサーみたいな会社の製品を買うと無料でこのソフトが使えるというもの。いくつかの会社の中から名刺を作ってくれる会社を選び、250枚の名刺を注文。料金は送料込みで7ポンドぐらい。これでこのソフトが制限無く使えるようになった) このソフトを使っていろいろなサイトで試してみたところ、すべてうまく行った。例えば、medici .tvの映像とかBBCのiPlayerサイトの音声とか。BBCのものは今までなかなかDLできなかったけれど、これが使えるのは嬉しい。 このソフトには2種類のダウンロードの仕方があり、一つは再生している映像を逐一取り込むもの。この場合は再生時間と同じだけの時間がかかる。もう一つは再生ストリームとは別に高速で元ファイルを取り込んでしまうもので、本来これがダウンロードというものだろう。 ところがこの高速でDLする方式には何か欠陥があるらしく、上記のアルチーナの映像の場合、最後の30分くらいが録画されなかった。何度も試したが結果は同じ。仕方がないので、オペラの再生時間(3時間24分)じっと我慢して録画した次第。これはBBCのiPlayerでも同じだった。 ということでとにかく、オペラ全編を見れるFLVファイルのDLに成功。 (B) 再生について DLしたファイルはFLV Playerで見ることができるが、このアルチーナの映像は他の映像とちょっと異なる部分があるらしく、何と16:9なのに4:3で再生されてしまい修正が出来ない。そこで他の再生ソフトを試したが、real playerとVLC media player(共に無料)はちゃんと再生できる。また、IrfanViewという画像再生ソフトのプラグインは最初4:3で再生が始まるが簡単に16:9に修正できる。 (C) DVDファイルへの変換 FLVファイルはPCでしか再生できないので汎用性を持たせるためDVDに焼くことを考えた。 上記のFLVファイルをDLできるソフトReplay media Catcher 4にはAVIやDVDファイルへの変換機能も付属している。しかし、変換されたDVDファイルはかなり大きな容量になってしまう。例えば、このアルチーナのFLVファイルの容量は2.75GBぐらいだが変換されたDVDファイルは8.5GBを越えてしまう(AVIでも同様のサイズになる)。ちょっと理不尽である。この手のソフトは結構多くて、他のソフトで13GBを越えるものもあった(Leawo FLV Converter)。AVS Video ConverterとかFreez FLV to Avi MPEG WMV Converterなども大体8GBを越えてしまう。 しかし同じフリーソフトでもDVD Flickというものは出力ファイル容量が調整でき、ターゲットサイズを通常のDVDとかダブルレイヤーのDVDとかに指定できる。またNTSCとPALも選べる。更に、イメージファイルを同時に作成するオプションもある。エンコーディング時間はややかかるが(上のファイルでは1時間半、これはPCの能力に依存する)何とか4.3GBという通常DVD 1枚分に収めることが出来た。ところが、VIDEO_TSファイルを再生してみると定期的に音がしゃくり上げるような現象が出ている。これではとても使えない。音と映像のずれも4-5秒ある(音が遅れる。これは他のソフトでも似たようなもの)。しかし同時に作成したイメージファイル(ISO形式)から再生してみるとこのしゃくり上げ現象はない。音ずれは同様にある。なので、今度はこのイメージファイルからフリーソフトのDVD DecrypterでVIDEO_TSを作成してみた。そのファイルでは音のしゃくり上げはない。残る問題は音の遅れだけだ。この音の問題は私の持っているTMPGEnc DVD Author 3(有料)というソフトで解決した。VIDEO_TSファイルをこのソフトにロードしてCut-editウインドウを開く。画面の左下付近にある"音符"ボタンを押すとAudio gap調整ウインドウが開く。音が遅れているのでGapを-4000msに設定したら、ほぼ音声と映像は同期した。OKを押して次に進むと音声の再エンコードが始まり、ずれの無くなったVIDEO_TSが入手できる。この再エンコードではファイル容量が増えることはない。 以上をまとめると、 (1)Replay Media Catcher 4でFLVファイルをPCに取り込む。 (2)DVD FlickでそれをDVDファイルに変換する。その際イメージファイルも同時に作成するオプションを選び、変換終了後イメージファイル以外はすべて捨てる。 (3)イメージファイルを再生してみて音ずれがないようならそのままDVDに焼く。ずれがあるときは、DVD DecrypterでVIDEO_TSファイルを抽出する。そのファイルをTMPG Enc DVD Author 3で開いてずれを補正する。 これでめでたくFLVファイルからDVDを作成して、居間のTVで楽しめる。
by dognorah
| 2011-02-15 08:25
| コンピュータ
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Comments(8)
不屈の精神で次々と問題をクリアーされたんですね。素晴らしい。
わたしなんか、読んでるだけで頭痛がしてきました。とてもできそうにありません。DVD再生するのだって(PS3を使うので)面倒くさいなあ、と思う機械音痴なので。 居間の大型ブラヴィアで楽しみたいので、いつかコピーを分けて下さい。だって、あの『アルチーナ』はファンタジー溢れるものなので、大画面で見てみたいんです。。。
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dognorah at 2011-02-16 02:00
レイネさん、不屈の精神だなんてそんな高尚なものではありません(笑)
元々こういうのが好きなだけです。 今回作ったdvdは元ファイルがあまり高画質じゃないのでブロックノイズが目立つ部分が結構あります。大画面で見るのはつらいかなと思いますよ。何しろ一枚のDVDに3時間半もの映像を詰め込んでいるのですから。
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Sardanapalus
at 2011-02-16 13:33
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さすがdognorahさん、分かりやすくて自分でもやってみようかと思わされます…が、ノートPCしかない私が最初にしなくてはいけないのはデスクトップPCの購入です(笑)私も、欲しい映像があったらdognorahさんにお願いしてしまおうかなぁ~。
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dognorah at 2011-02-17 01:46
特にデスクトップPCにする必然性はないと思いますよ。必要なのは十分なHDD容量です。それはノートでも外付けで対応できます。あと、CPU能力ですね。遅いCPUの場合現実的じゃないです。
>Replay Media Catcher 4
これは便利なソフトですね。実際に自分のパソコンでやってみないと分からない部分もありますので、購入しようと思いましたが、ウィンドウズしかダメなんですね。残念。 ところで、Catcher ということは、ダウンロードできないようになっているものはキャプチャーするということですか? 容量がずいぶん大きくなるということですが、元のより画質がよくなっているということですか。 私はマックユーザーですが、ダウンロードできないものは、なんでもかんでもキャプチャーしてしまうソフトがあるので、それを使用していますが、私のパソコンでは、40ギガくらいしか空きがないため、30分程度が限度なので、オペラ全幕を一気にキャプチャーはできないのがちょっと不便なんです。保存してしまえば、容量は、普通なんですが、保存するために、その数倍の空き容量が必要みたいです。 最近は、国内限定(イギリスとかイタリア)でしか見られないのが多くて、誰かがYouTubeにアップしてくれるのを期待するしかないのが悔しいです。知識のある方は裏技で見られるようですけど、私は、説明されてもよくわからないんです。
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dognorah at 2011-02-18 00:19
keyakiさん、そうですね、この手のソフトもWindowsの方が多いのでしょうか。
このソフトはダウンロードできないものはキャプチャーするということです。だから再生時間と同じ時間がかかります。 容量が大きくなるのは、FLVファイルをAVIやDVDファイルに変換することで起こります。どんなに大きくなっても元の画質より改善されることはありません。 そのマック用のソフトはキャプチャーの最中に大きなHDDスペースが必要なんですか?今回ご紹介したソフトではそういうことはありません。Alcinaの全幕FLVファイルの容量は2.75GBですがPC側で必要なのはこれと同じスペースだけです。従って40GBもあれば普通のオペラは悠々と全幕キャプチャーできちゃいますね。 国内限定の映像というのは今までアクセスしたことがないのでキャプチャーする必要が感じられず、従って努力したことがないです。もしそういう場面に出くわせば方法をいろいろ探るかも知れませんが。でも、AV技術にお詳しいkeyakiさんというイメージを持っていますので、そのあなたがよくわからないと仰るようでは私には難しすぎるかもです。
ありがとうございます。
なるほど、キャプチャーとダウンロードして保存する....という両方の機能が備わっているんですね。 私は、パソコンはウィンドウズが存在しないころからマックユーザーですので、音声とか映像に関しては、QuickTimeとかiTunesで簡単に保存したり編集したりができますので、難しいことはわからないんです。 最近はYouTubeでも画質もよくなり、時間制限もなくなりましたので、オペラ全編もアップしようと思えばできてしましますし、本当に便利になりました。 日本では、テレビがデジタル化されて、録画してもパソコンでは再生できないという、おかしなことになっています。
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dognorah at 2011-02-22 09:02
keyakiさん、日本は本当に著作権がどうのこうのとうるさいようですね。イギリスは地上ディジタル放送の画質がよくないせいか誰もそういうことは問題にしません。他の欧州諸国の事情はよくわからないんですが。
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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