2011年2月10日、バービカンホールにて。
Strauss: Don Juan Ravel: Piano Concerto in G Strauss: Also sprach Zarathustra Daniel Harding: conductor Hélène Grimaud: piano London Symphony Orchestra 久しぶりにLSOを聴きました。やはりこのオケは上手いです。音に華やかさがあるし、1曲目はそういうことで大変楽しめました。 そして、今日最も感心したのは2曲目のラヴェルのピアノ協奏曲です。 元々モーツァルトの23番が予定されていたのにグリモーの希望でラヴェルに変更になったのでした。ピアノも管弦楽も本当にすばらしい演奏で、特に第2楽章の叙情的で美しいことといったらもう大感激です。グリモーの感性には全面的に納得でき、この作品が名曲であることを思い知らせる出来でした。これを聴けただけでも今日来た甲斐がありました。 Daniel HardingとHélène Grimaud 最後の曲は冒頭の部分が映画などで有名ですが、以前誰かの演奏で全曲聴いたときはあまり楽しめなかった記憶があります。さて今日はハーディングはどう料理するかなと神経を集中させましたが、私にとってやはりあまり好きな曲じゃないことが確認できただけです。演奏自体は大変力のこもったニュアンス豊かなものでしたが、シュトラウスのあまり好きじゃない交響詩分野の中でも好感度は下の方かなと思いました。最初の「ドン・ファン」の方が好ましい音楽です。 なお、この作品の演奏の冒頭でニーチェの「ツァラストラはこう語った」の短い抜粋が朗読されて、それから演奏が開始となり、そういうスタイルは初めて聴きました。
by dognorah
| 2011-02-11 23:53
| コンサート
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Comments(8)
こんばんは。私も曲目がラヴェルに変わってたいへん喜んだクチでした。グリモーは本当に上手かったですね。一音一音くっきりと立っているし、指もよく回ること回ること。彼女の個性と曲がよくマッチしていました。
ツァラトゥストラも大好きな曲なので、大音響を単純に楽しめました。トランペットが外しちゃったのが痛恨でした。この曲はトランペット奏者ができればトップを吹きたくない曲の筆頭だと聞いたことがあります。
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dognorah at 2011-02-12 20:43
Miklosさん、トランペットはちょっとずっこけましたが、そういうことがよく起こる難しい曲なんですね。知りませんでした。
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助六
at 2011-02-13 02:11
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グリモーはパリでは一昔前の2000年にプラッソン/トゥールーズのバックでラヴェル弾いてくれましたが、伴奏のオケ含め本当に目が覚めるほど素晴らしかった。アルゲリッチでも2回聞け見事でしたが、そのアルゲリッチの上を行ってるかもと思ったくらい。アルゲリッチの繊細ではじけるようなタッチに加え、グリモーにはより直截なタッチによるフォルムの明快さと、音楽を引っぱていくエネルギーがあります。
グリモーはモーツァルトのコンチェルトも聴きましたが確かにラヴェルの方が良いと思います。他に彼女のシューマンやブラームスのコンチェルトも素晴らしい。 「ツァラトゥーストラ」は70年代には、キューブリック映画に使われたせいか人気曲だったけど、そう言えば最近は録音でも演奏会でもあまりやられなくなりましたね。 オルガン使用が特にネックになるとも思えないので、趣味の変遷の問題でしょうか。私も実演は20年前にパリで一度聞いただけです。ティルソン=トーマス指揮のLSOでした。 冒頭が余りに悪趣味だから引けますが、プログラムを知って聞いてみると中々優れた曲だと私は思うようになってます。
わたしも、一昔以上前(もしかしたら、二昔前)に、グリモーのラヴェルPコンをナマで聴き、その若々しい躍動感に感銘を受けました。初々しい少女のような雰囲気だったので、メジャー・デビュー間もない頃だったかもしれません。記憶がおぼろげなほど昔のことです。
文字通り跳ねて踊るような演奏で、細身で軽量なこともあり、アルゲリッチのような安定感はないけれど、目の醒めるような新鮮味がありました。それ以来、生では聴いていませんが、CDは買って成長を追っているんです。(邦題『野生のソナタ』とかいう本も買ってしまったほど。。。) 有名になってしまってからは、田舎には来てくれないのが不満です。 ラヴェルは、本当に彼女の個性にマッチしてますね。
1/17サントリーホール公演、2/4のBS-hiで放映されたのを見ました(ベルク、リスト、バルトーク)が、今までのグリモーとタッチが違うように感じます。とても歯切れがあって、魅力ある音色でした。容姿も魅力的ですが、むしろ演奏そのものに一段と注目すべく、今後の活動を楽しみにしたいと思います。
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dognorah at 2011-02-14 06:05
助六さん、恐らく彼女はこの曲を得意としているのでしょう。今朝もBBCのラジオでジンマン指揮のオケとの共演CDの放送をしていましたが見事なものでした。
「ツァラトゥーストラ」は20年も前に聴かれた記録があるんですね。私は多分今世紀初め頃でしょうか。彼の交響詩はまだ余りよく理解できていません。
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dognorah at 2011-02-14 06:28
レイネさんもかなり昔からのおつきあいなんですね。私は今世紀になってからTV放送で初めて聴いて感銘し、その後Promsでシューマン協奏曲、RFHでブラームスの第1番を聴いて現在に至っています。これで彼女の得意とする曲はすべて聴いてしまったような。
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dognorah at 2011-02-14 06:30
ご~けん さん、今まで聴いた彼女の演奏会はすべてよかったので今後も楽しみにしたいと思っています。
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