プッチーニのオペラ「マノン・レスコー」

2010年11月27日、ヴィーン国立歌劇場にて。

Manon Lescaut
|Giacomo Puccini
•Philippe Auguin | Dirigent
•Robert Carsen | Regie
•Antony McDonald | Ausstattung
•Ian Burton | Dramaturgie
•Philippe Giraudeau | Choreographie

•Olga Guryakova | Manon Lescaut
•Eijiro Kai | Lescaut,ihr Bruder,Sergeant
•José Cura | Chevalier René Des Grieux
•Sorin Coliban | Geronte de Ravoir
•Ho-yoon Chung | Edmondo
•Marcus Pelz | Wirt
•Dan Paul Dumitrescu | Sergeant

前日に続いてこれも面白い演出で、改めてロバート・カーセンの才能に感心しました。 現代読替で、最初の場面はショッピングモールです。 円弧状の通路になっているので奥は見えません。
両側にはショーウインドウが並び、マネキンに着せた婦人服が展示されています。 右側手前はホテルの入り口になっていて、到着した旅行客が入っていきます。 ショッピングモールでウインドーショッピングをしている婦人達は見栄えのする服装をした美人達で見るものを楽しませてくれます。このセットは基本的に第4幕まで変わらず、ショーウインドーのガラスの向こうの風景が変わるだけで、第2幕と第3幕はパリにあるジェロンテの高層アパートで大きなガラス窓の外にパリの現代風景が広がります。第1幕と第4幕はほぼ同じという経費節約型ですが、説得力はあります。
舞台装置はさておき、登場人物はかなり手を加えていてストーリーの辻褄合わせをしていますが全く違和感はありません。 ジェロンテとエドモンドは全幕に登場し、第4幕ではジェロンテがレスコーに買収された係員を射殺するというのも論理的です。 第2幕最後にジェロンテがマノンをソファーに押し倒してレイプするかのようなシーンも彼の憎しみとrevengeの思いを強烈に表現していて新鮮です。 アメリカ送りにされる女囚達はファッションモデルで第1幕のショーウインドーに飾ってあったドレスを着てキャットウォークをしたりという遊びも入っていて、第3幕の暗い場面があまり暗くなく楽しめるものになっています。 全体としてはとてもよく練れたお膳立てになっていて、こういう演出だと読替も全く気になりませんね。

歌手達ですがとても水準が高いものでした。 オルガ・グリャコワは昨年「チェレヴィチキ」で聴いて以来ですがまあ好調です。 ただ時折高音が金属的な響きになることがあり、それがちょっと気になりました。 顔も少し細くなったようですが、育児のせいかややお疲れという顔で、器量に少し翳りが見られたのは残念。
ホセ・クーラはやや顔の肉付きが増えた印象ですが声は絶好調で好ましい歌唱です。
甲斐栄次郎も立派なバリトンで、歌唱はすべてすばらしいものでした。 座付き歌手なので頻繁に登場するし、西洋人に比べると見栄えがあまりしないのが響いているのかカーテンコールでは拍手だけなのが残念。
ジェロンテ役のソリン・コリバンも文句なしのバスでした。

フィリップ・オーギンの指揮は大変劇的なもので、叙情的な部分との対比でグッと来るものです。 第3幕への間奏曲も大変美しい。

カーテンコールの写真
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Ho-yoon Chung and Eijiro Kai
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Sorin Coliban, Philippe Auguin and Olga Guryakova
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by dognorah | 2010-11-30 00:54 | オペラ
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