ヴェルディのオペラ「仮面舞踏会」- ロイヤルオペラ

4月18日の公演に行った。
キャストは、
 リッカルド:Marcelo Alvarez
 アメリア:Karita Mattila
 レナート:Thomas Hampson
 オスカー:Camilla Tilling
 ウルリカ:Elisabetta Fiorillo
 指揮:Antonio Pappano

歌手陣は総じて高い水準で今夜も非常に感動した。
主役のAlvarezを聴くのは数年前のリゴレットでのマントヴァ公爵以来である。あの時はちょっと歌い方が軽いなぁという印象であったが、今日は陰影がしっかり着いていて歌よし、声よし、演技よしの秀演。第2幕のアメリアとの2重奏は両者の呼吸もぴったりで観客ものった。

この主役を支えるバリトンのHampsonがまたすばらしい。昨年6月に見たアラベラでマンドリーカ役をやっていたが、そのときも私のメモに「注目」と書いてある。いい声をしているのだ。第3幕でアメリアの願いを聞き入れて彼女を退出させた後の、リッカルドへの恨みつらみを吼えるように歌うところなどものすごい迫力だった。

余談だが、この歌の最中、彼がフォルテで歌った後にハープとフルートが物静かなメロディを奏でる部分があるが、その動と静の対比のさせ方のうまいこと、さすがヴェルディだなとうならされる。

この男性陣に対して女性陣も全く引けを取らない。特にKarita Mattilaのうまさには脱帽だ。彼女も上記のアラベラで深い印象を与えてくれた人だ。
この仮面舞踏会は実に沢山のアリアがちりばめられているが、そのすべてにすごい歌唱を聴かせてくれた。その中でも圧巻は、第3幕で死ぬ前に子供に会わせて欲しいとレナートに嘆願する「Marro, ma prima in grazia」で、あまりのすごさに感動して涙を流してしまった。本日のベスト歌手だと言っておこう。

脇役だが、小姓のオスカー役をやったTillingも清涼な存在感を出していたし、第1幕に出るだけの占い師ウルリカをやったFiorilloもうまい人だ。こういう脇役がいるからオペラ全体も引き締まる。

パッパーノの指揮はいつもどおりの流麗かつ力強い音楽を作って、この作品を見事に仕上げていた。

舞台は、マドリードとヒューストンを交えた3者による共同制作である。第1幕の占い師の家は3階建て構成でまあまあというところ。しかし第2幕の荒地はあまりいただけない。感心したのは第3幕で、舞台いっぱいに立てた鏡が、舞踏会が始まると下部が奥にずれて45度の角度に固定され、地下部分にしつらえた赤い床の舞踏場が映る工夫はなかなかうまいと感心した。
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by dognorah | 2005-04-19 09:51 | オペラ
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