ヘンデルの「セメレ」コンサート形式

2010年7月8日、バービカンホールにて。
George Frideric Händel: Semele
An Oratorio in three acts
Libretto by William Congreve, after Ovid

Les Talens Lyriques
Christophe Rousset conductor

Semele: Danielle de Niese soprano
Iris: Jaël Azzaretti soprano
Juno/Ino: Vivica Genaux mezzo-soprano
Athamas: Stephen Wallace countertenor
Jupiter: Richard Croft tenor
Cadmus/Somnus: Peter Rose bass
Cupid: Claire Debono soprano
Apollo: Sébastien Droy tenor

セメレを聴くのは昨年1月のチューリッヒ以来です。
数あるヘンデルのオペラとオラトリオの中でなぜこれをやることになったかは恐らくダニエル・ドゥ・ニースが歌いたかったからでしょう。2年前にも彼女のバービカンでのコンサートでもこのオラトリオから2曲歌っていますし。
彼女の歌唱は好調で、以前聴いた時よりも声質がやや丸くなっており私にとっては好ましい方向です。第3幕で手鏡を見ながら歌うアリア"Myself I shall adore"はバルトリほどのテクニックはないにしろ十分楽しめる水準です。そして最後のアリア"No, no, I’ll take no less"は凄い迫力で、この声量はバルトリにはないものでしょう。昨年3月にROHで「アシスとガラテア」でガラテアを演じた彼女、背が低い印象でしたが今日は10cmはあろうかというピンヒールを履いて登場、朱に近い赤のドレスも相俟って存在感十分でした。
JunoとInoの両方を演じたヴィヴィカ・ジェノーも大変上手な人で、各アリアとも多くの拍手をもらっていました。この二役を同一人物が演じるのは意味のあることで第3幕ではInoに化けたJunoがセメレを騙す件が理解しやすい。
Irisを演じたジャエル・アッザレッティはまあまあ。バルトリが演じたカーセン演出の公演ではカットされたキューピッド役を歌ったクレア・デボノは表情豊かで見栄え聴き栄えのするソプラノで好感が持てる。
男声陣では、CadmusとSomnusを歌ったピーター・ローズは貫禄、Athamasを歌ったカウンターテノールのスティーヴン・ウォーレスはまあまあ、Jupiter役のリチャード・クロフトは大変上手いテノールです。
管弦楽は退屈な序曲が終わって劇が進行すると大変立派な演奏になりました。インターヴァルにはこの団体の演奏を録音したCDをロビーで売っていて、指揮者のクリストフ・ルセが机の前に座ってサインの用意をしていましたがほとんど客が寄り付かず。ちょっと知名度不足のようです。
1年半ぶりでストーリーの細かいところをほとんど忘れていたのがよみがえり、これで9月に予定しているアン・デア・ヴィーン劇場での公演の準備はOK。その公演はチューリッヒのものをそのまま持ってくるものですが、世の中にはカーセン演出のそのプロダクションしか存在しないのでしょう。

カーテンコールの写真。
Claire Debono & Danielle de Niese
c0057725_7445460.jpg

c0057725_7452570.jpg


Vivica Genaux & Richard Croft
c0057725_747914.jpg


Jaël Azzaretti
c0057725_7503584.jpg


Peter Rose
c0057725_752438.jpg


Stephen Wallace
c0057725_7532160.jpg


Christophe Rousset
c0057725_7541416.jpg

[PR]
by dognorah | 2010-07-10 07:55 | オペラ
<< 指揮者マッケラス逝去 デノーケの「サロメ」 >>