フィガロの結婚-今年のROH公演

2010年6月4日。

Le nozze di Figaro by Wolfgang Amadeus Mozart
Director: David McVicar
Conductor: Colin Davis (1st Act only), David Syrus

Figaro: Erwin Schrott
Susanna: Eri Nakamura
Count Almaviva: Mariusz Kwiecien
Countess Almaviva: Annette Dasch
Cherubino: Jurgita Adamonyte
Bartolo: Robert Lloyd
Basilio: Peter Hoare
Don Curzio: Christopher Gillett
Marcellina: Marie McLaughlin
Barbarina: Amanda Forsythe
Antonio: Nicholas Folwell

2006年2月にプレミエだったこのプロダクションはこれまで何度も再演されていますが私が見るのは2008年7月についでこれが3度目です。
フィガロ役のエルウィン・シュロットはプレミエ時以来の出演ですが、長髪だったのを極端に短くしていたのでびっくりしました。声は相変わらずすばらしい。
スザンナを演じた中村恵理さんも相変わらずの美声が心地よい。第4幕のアリアはまさに優等生的な歌唱でした。しかしここではもう少し個性的な味付けがほしい気もしました。それにしてもこの大役を見事にこなしていましたね。カーテンコールでは大きな拍手をもらっていました。同役をミュンヘンでも歌う予定になっていますがあちらでも拍手喝采となってほしいです。
マーリューシュ・クヴィーチェン(本人のサイトによるとこう発音するんだそうです)の演じるアルマヴィ-ヴァ伯爵も、おやと思うぐらいすばらしい歌唱であり演技でした。実はこの人が演じるこの役は2002年にグラインドボーンで聴いているのですが、どういう状態だったかは記憶のかなたです。
伯爵夫人(ロジーナ)を演じたアンネッテ・ダッシュはおそらく初めて聴いたと思いますが長身の美人で見栄えがすることもあって伯爵夫人らしい気品が満ちた歌唱でした。第2幕のアリアはやや表現が浅い感じでしたが第3幕のアリアはすばらしかった。
ケルビーノを演じたアダモニテもすばらしい声でしたが演技的にはややおとなしすぎる印象です。
他の歌手も概ねよかったので全体としては相変わらず楽しめる公演でした。
コリン・デイヴィスの指揮はさすがにすばらしく、序曲からして音が違うなぁと感心していたのですが、なんと第1幕終了後にデイヴィッド・サイラスに交代してしまいました。本人は第2幕を振る構えであったところを楽員が耳打ちして退場させてしまったので第1幕進行中にピット外で何か特殊事情が勃発したのでしょう。サイラスは2008年の公演で聴いていますが、そのときに比べると今回はオケのコントロールもかなりうまくなっていました。

演出ですが、初日のカーテンコールの写真を見るとマクヴィカーが舞台に出ているのでちょっと手直ししたのでしょう。具体的にはどう直したのか上手く説明できませんが、フィガロの伯爵に対する態度がより大きくなっているように感じました。細かいところでは中村さんが小さいせいだと思いますが第4幕で踏み台を持ってきて伯爵夫人らしい背丈にして笑いを取っていたりしていました。
マクヴィカーの責任では無いでしょうが、不満なのは第4幕で歌われるはずのマルチェリーナ、ドン・バジリオおよびバルバリーナのアリアがすべてカットされたことです。プレミエ時にはちゃんと歌われたのはさてはDVD製作のためだったか。

カーテンコールの写真。クリックで拡大します。
Erwin Schrott
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Eri Nakamura 右端の顔半分は Jurgita Adamonyte
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Mariusz Kwiecien & Annette Dasch
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by dognorah | 2010-06-06 09:25 | オペラ
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