ヴィヴァルディのオペラOttone in Villaコンサート形式

2010年5月21日、バービカンホールにて。

ご無沙汰しました。日本に里帰りしていたのでしばらくぶりの投稿です。

Antonio Vivaldi: Ottone in Villa, RV729 (1713)
Libretto: Domenico Lalli

Sonia Prina: Ottone
Veronica Cangemi: Cleonilla
Julia Lezhneva: Caio Silio
Roberta Invernizzi: Tullia/Ostilio
Topi Lehtipuu: Decio

Il Giardino Armonico
Giovanni Antonini: conductor

コンサート形式ばかりですがヴィヴァルディのオペラを聴くのはこれが2回目です。1回目は2008年のTito Manlioでした。
このOttone in Villaも音楽的にはすばらしい作品でとても幸せなひと時を経験しました。管弦楽団は指揮者も含めて初めて聞く団体ですがとてもうまいです。古楽器でこんなに魅力的な音を出すなんて!指揮者がまた凄い!緩急やディナミークの変化などこちらのツボに嵌る演奏でこまめに各楽器や歌手にキューを出しながらしっかりと音楽を作るさまは見ていても気持ちがいいです。それにしてもヴィヴァルディという人は本当に魅力的な音楽を作りますね。

ただし、オペラの筋は大変他愛ないもので、エジプトでクレオパトラ(Cleonilla)に惹かれてローマに帰りたくないカエサル(Ottone)は部下のDecioの諌めにはまったく耳を貸そうとしない。しかし彼が心惹かれるクレオパトラは多くの男を愛する自由が大切という哲学の持ち主で、以前はカエサルの部下のCaioを愛していたが今は自分のページであるOstilioに惹かれている。しかしそのOstilioは実は女性のTulliaが男装したもので、彼女は以前はCaioの恋人だった。こういう風に男女の恋が錯綜した状況で最後はCaioとTulliaが元の鞘に収まる。

5人の歌手もすべて上手くて声も表現もとても魅力的です。以前にも聴いたことのあるヴェロニカ・カンジェミとロベルタ・インヴェルニッチは相変わらず上手いのですが、今日は特にCaio役を歌ったロシア人ソプラノのユリア・レズネワにいたく感激しました。耳に心地よい声の響きは深みがあるし、喜怒哀楽の表現も幅が広くてものすごく芸達者です。第2幕でCaioが独りだと思って最近のクレオパトラの自分への愛が薄れていることを嘆くところ、立ち聞きしている前の恋人Tulliaがエコーを返して彼をからかう場面は、Tulliaの歌う場所を管弦楽の後ろにしてヴァイオリン二人とリュートをそばにつけ、Caioの後ろにはもう一本木管がつき、更に指揮者も時々指揮をしながら木管を奏でる構成で、二人のソプラノと管弦楽の奏でる音楽は筆舌に尽くしがたい美しさで涙が出てしまいました。
Ottoneを歌ったコントラアルトのソニア・プリナの声はこの音域にしては珍しく私の好みでした。Decioを歌ったテノールのトピ・レーティプーもいい歌手です。
Tito Manlioと同じくこの作品でも各歌手には十分なアリアがあてがわれています。そういうことからもレヴェルの高い歌手を揃える必要がありますね。一番歌う場面の多いのはCaio役で、その役をこのユリア・レズネワが歌ったのはすばらしいことでした。

歌手5人とIl Giardino Armonico
c0057725_8533734.jpg


Veronica Cangemi as Cleonilla and Sonia Prina as Ottone
c0057725_8541128.jpg


Roberta Invernizzi as Tullia/Ostilio and Julia Lezhneva as Caio Silio
c0057725_8544262.jpg


指揮者Giovanni Antonini
c0057725_8551713.jpg

[PR]
by dognorah | 2010-05-23 08:56 | オペラ
<< ドニゼッティ「連隊の娘」公演 IRISその後 >>