スカラ座の音楽監督辞任

昨日のニュースで知ったが、リッカルド・ムーティ氏が18年間勤めたスカラ座の音楽監督を辞任した。スタッフに総すかんを食ったために決意したそうである。

今日のGuardian紙によると、オーケストラのメンバーでさえも彼に反旗を翻したのが決定的だったそうだ。理由はとにかくワンマンだったことという。

有名な舞台監督のゼッフィレッリ氏も、ミラノに独裁者はいらん、と痛烈に批判している。そんなに独裁者だったとは知らなかった。

彼は昨年10月にコベントガーデンでLa Forza del Destino(運命の力)を振るはずであった。プロダクションもスカラ座との共同制作であったし、私はムーティを非常に楽しみにしていた。

ところがである。直前になって彼はキャンセルしたのだ。理由は、スカラ座の舞台をほんのちょっと(これはコベントガーデンの表現)変えたのが気に食わないというのだ。この変更は、イギリスの法律で要求されている安全基準を満たすためであったに過ぎない。今からして思えば、スカラ座でもこういう細かさで接していたのだろう。

余談だが、このキャンセルのためにコベントガーデンの音楽監督であるパッパーノ氏はどれだけ苦労したことか。アメリカかどこかでオーケストラを客演指揮することになっていたのをキャンセルして大急ぎでロンドンに戻り、短時間で稽古をつけて上演にこぎつけたのだ。上演は上出来だった。いつもだったら序曲の後はちょっとだけ拍手のところ、事情を知る我々は割れんばかりの拍手喝采で彼をねぎらった。序曲そのものもすごく力の入った演奏ではあったが。

さて、ムーティ氏はこれからどうするであろうか。当分はオケの客演指揮かしら。
上記の事件にもかかわらず、私は彼の指揮は好きだ。ロンドンでは何度か聴いたことがあるがいつも感心させられた記憶がある。だからこそ「運命の力」をぜひ聴きたかったのだ。今年の誕生日が来れば64歳ということだから、指揮者としてはまだまだ活躍できる若さだ。メジャーなところで今後もバリバリ活躍してもらいたいものだ。
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by dognorah | 2005-04-04 03:35 | オペラ
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