キーンリーサイドのヴォツェック

2009年10月8日、RFHにて。

Alban Berg: Wozzeck
Semi-staged performance with live video by Jean-Baptiste Barrière

Esa-Pekka Salonen: conductor
Philharmonia Orchestra
Jean-Baptiste Barrière: general conception and direction

Simon Keenlyside: Wozzeck
Katarina Dalayman: Marie
Hubert Francis: Drum Major
Robert Murray: Andres
Peter Hoare: Captain
Hans-Peter Scheidegger: Doctor
Anna Burford: Margret
David Soar: 1st Apprentice
Leigh Melrose: 2nd Apprentice
Ben Johnson: Idiot
Louis Watkins: Marie's Child
Philharmonia Voices

つい先月パリで見たばかりのオペラですが、キーンリーサイドがタイトルロールを歌うというのでまた聴いてしまいました。これはコンサート形式ですが、衣装(The National Theatreから借用)もある程度それらしいものを用意して結構演技もし、舞台後方には大きなスクリーンを用意してヴィデオを投影するものです。ヴィデオはそのときに舞台で演じている人物達にヴィデオエフェクトを施して投影したもので、ヴィデオエフェクトはそのとき鳴っている音に反応して抽象的な形や色が変化する仕組みになっています。まあ雰囲気は出ていました。ディレクターはフランス人で、音楽、芸術史、哲学、数理などを学んでポンピドゥーセンターで仕事をした後、音楽とイメージの相関を表現するImage Auditiveという概念を創造した人のようです。

キーンリーサイドの歌唱は期待通りというか予想通りというか見事なもので、演技的にも抑圧された環境で思い詰めていく様がよく表現されていました。この公演に向けて無精髭も生やしたままという気の入れようです(劇の中でドクターとキャプテンに無精髭を指でつままれて揶揄される場面がある)。また、彼等のもとを去るときには「影が追いつかないほど速く走るわい」という言葉を忠実に表現するかのように全力疾走で楽屋に引っ込んだりするところが彼らしい。

他の男性歌手達も概ねすばらしい歌唱でした。しかし女声歌手は非常にいいというものではなく、ダライマンも後半はよく声が出ていましたが前半はいまいちでした。

サローネン指揮のフィルハーモニアの演奏はすばらしく、切れのいいダイナミックな響きながら叙情性もたっぷり表現したもので、カーテンコールでも多大の拍手を受けていました。
この演奏は10月15日午後7時からBBC Radio 3で放送予定です。

写真はカーテンコールから。
Simon Keenlyside, Hubert Francis and Hans-Peter Scheidegger
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Katarina Dalayman and Jean-Baptiste Barrière
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Esa-Pekka Salonen and Simon Keenlyside
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Robert Murray, Simon Keenlyside and Anna Burford
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by dognorah | 2009-10-09 19:10 | オペラ
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