ガランチャのカルメンは最高!

2009年9月30日、ROHのドレスリハーサル。

大勢の出演者。これに馬やロバなども出ます。
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Carmen
Director: Francesca Zambello
Conductor: Bertrand de Billy

Carmen: Elina Garanča
Don José: Roberto Alagna
Escamillo: Ildebrando D'Arcangelo
Micaëla: Liping Zhang
Moralès: Changhan Lim
Zuniga: Henry Waddington
Frasquita: Eri Nakamura
Mercédès: Louise Innes
Le Dancaïre: Adrian Clarke
Le Remendado: Vincent Ordonneau

今まで見たガランチャの役はセスト(皇帝ティートの慈悲)、シャルロッテ(ヴェルテル)、オクタヴィアン(バラの騎士)、ドラベラ(ヴィーンROH のコジ・ファン・トゥッテ)、ロメオ(カプレーティ家とモンテッキ家)で、ズボン役も女役もどれも気品のある演技ですばらしかったのですが、その彼女がカルメンを歌うと言われてもあのあばずれジプシー女をどう演じるのか正直あまりピンと来ませんでした。
ところが舞台が始まってタバコ工場の休憩時間に彼女が出てきたときはまず「美しい!」と感嘆。そしてハバネラを歌うときの官能的な仕草の何という色気!若い魅力的なジプシー女になりきっています。これじゃー男は誰だっていちころですわ。声は最近の好調さをそのまま持続した潤いと深味のある彼女らしいものでこれも惚れ惚れ!もう2年ぐらいあちこちで歌ってきたので歌唱もこなれているのでしょう。とにかくすばらしいカルメンです。

このプロダクションはプレミエの時はドン・ジョゼをカウフマンが歌い、昨年の再演時はアルバレス、そして今回はアラーニャと現代テノール界のプリンス達が登場してきてそれぞれすばらしい歌唱を聴かせてくれたたわけですが、今日のアラーニャはさすがに母国語だし声も艶があって好調な歌唱だし3人の中では一番の出来だったと思います。

ミカエラを歌ったLiping Zhangは名前はよく聞くものの、実際に舞台で聴くのは初めてかな。華が充分あるわけではありませんがいい声で声量もあるし、とてもうまいソプラノです。第3幕の盗賊のアジトで歌うアリアは大変よかった。結構お年のようで厚化粧が目立ちました。

エスカミーリョを歌ったダルカンジェロはプレミエ時とほぼ同じ印象で、今日もよかった。

今日は脇役兵士のモラレス役に韓国人バリトンのChangham Limが出演し、フラスキータ役に日本のソプラノ中村恵理が出ていたので日中韓が共演するという珍しいことになりました。中村さんはいつものように好調でよく声が出ていましたし、盗賊の男達といちゃつく演技もカルメンに負けじと堂に入ったもの。

指揮はフランス人のベルトラン・ドゥ・ビリーですが、やはり個性が出ていて序曲からしてパッパーノのような力強い演奏ではなくもっと軽く流すような感じで当然のことながら今までの中で最もフランス的な演奏と思いました。

ということで舞台は過去最高のとても魅力的なもので、本番が楽しみです。

演出は細かいところで以前と少し変えているところもありました。ちょっと目立ったのは第3幕でエスカミーリョとジョゼがナイフで決闘するシーン、最初はエスカミーリョが余裕で勝って、刺さないでジョゼを放免し、それからまたジョゼが突っかかって、今度はエスカミーリョが滑って転んだためにジョゼが刺せる状況になったところで帰ってきた皆に止められるのですが、最初のエスカミーリョが勝つ部分が無くなっていました。つまりちょっと端折ってエスカミーリョにとっては何とも不名誉な場面になってしまっているわけです。時間にして2-3分ですが何故に端折ったのか分かりません。

終了直後の主役二人によるカーテンコール
Elina Garanča and Roberto Alagna
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右端のダルカンジェロも交えて
Elina Garanča, Roberto Alagna and Ildebrando D'Arcangelo
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Eri Nakamura and Liping Zhang
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by dognorah | 2009-10-01 21:18 | オペラ
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