ヴェルディのオペラ「ドン・カルロ」ROH2009公演

2009年9月18日、ROHにて。

Don Carlo: Opera in five acts (1886 Version)

Conductor: Semyon Bychkov
Director: Nicholas Hytner

CAST
Don Carlo: Jonas Kaufmann
Elisabetta di Valois: Marina Poplavskaya
Rodrigo: Simon Keenlyside
Philip II: Ferruccio Furlanetto
Princess Eboli: Marianne Cornetti
Tebaldo: Pumeza Matshikiza
Grand Inquisito: John Tomlinson
Conte di Lerma: Robert Anthony Gardiner
Carlos V: Robert Lloyd
Voice from Heaven: Eri Nakamura

昨年7月にプレミエだった公演の再演です。今回、ドン・カルロはビリャソンからカウフマンに、大審問官はハーヴァーソンからトムリンソンに、エボリ公女がガナッシからコルネッティに変わりました。

まず、ドン・カルロですが歌唱的にはビリャソンの方がやや上です。カウフマンも特に輝かしい高音はいいのですが、弱音で声が掠れるという欠点があり(これは最近よくそういう場面に出会います)第1幕冒頭の物静かなアリアはあまり楽しめませんでした。この傾向は最後まで変わらず。

エリザベッタを歌ったポプラフスカヤは昨年はかなり失望させる歌唱でしたが、今年は普通に楽しませてくれる声で、この1年でかなり成長したようです。これならそう大きな不満はないですが、私は相変わらずあまり好きな声ではありません。

キーンリーサイドとフルラネットは昨年とほぼ同様好調さを保っていて文句なしです。
トムリンソンの大審問官は例によって大声量で低音たっぷりなのですが、歌の迫力としてには昨年のハーヴァーソンの方が上です。ただ大きい声で吼えまくればいいというものでもないでしょう。

エボリ公女を歌ったコルネッティはなかなかすばらしく、これは明らかに昨年のガナッシより上です。第4幕の例の「私の美貌を恨む」というアリアも迫力ある歌唱でよかった。

その他の歌手は昨年と同様の水準です。こうしてみると女声陣が昨年よりかなりよかった分今年の方が全体的レヴェルは高かったと言えます。

ビチコフの指揮は舞台と一体となった緻密なもので、各パートもいい音を出していましたが、先般ROHで振った「ローエングリン」ほどには上手さを感じず、昨年のパッパーノも大変よかったのでこれはどっこいどっこいというところでしょうか。
それにしても4度目に聴くこのオペラ、ヴェルディの音楽の偉大さに改めて感心しました。そう感じさせてくれた今回の公演はかなり水準の高いもので大変印象深いものがあり、もっと切符を買わなかったことをちょっと後悔しています。最高席は今でも毎回売れ残っていますが。

以下、カーテンコールの写真。
Ferruccio Furlanetto, Jonas Kaufmann and Marina Poplavskaya
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John Tomlinson
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Marianne Cornetti
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Simon Keenlyside
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by dognorah | 2009-09-20 07:18 | オペラ
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