リゲティのオペラ「Le Grand Macabre」ドレスリハーサル

2009年9月15日、ENOにて。

友人に入場のアレンジをして貰って、ENOのオペラリハーサルを初めて見ました。
この「ル・グラン・マカーブル」はリゲティ唯一のオペラだそうですが、1977年に完成し、1996年にザルツブルグ音楽祭とパリのシャトレ座公演を機に改訂されたものです。
今回のENOのプロダクションはブリュッセルのモネ劇場、ローマのオペラ劇場、それにバルセロナのリセウ劇場との共同制作で、既にブリュッセルとローマは上演済みだそうです。

題名の意味は「大いなる死」なのでしょうが、ストーリーの内容は荒唐無稽に近いのであまり筋書きを気にせずに音楽と舞台を楽しめばいいかという感じです。今年2月には日本でも上演されたようなのでご存じの方も多いでしょう。

音楽は客席で聴いている限りでは打楽器がめったやたら目立って、通常のオケで用いられる楽器の存在感が薄いのですが、要所では例えば舞台上でヴァイオリンや木管楽器が演奏されたりします。まあ聴いていてスカッとする音ではあります。なお、今日の指揮者は本番のエドワード・ガードナーとは違う人です。
歌は台詞にちょっと節を付けた程度のものが多く、アリア的なものはなかったと思います。地の台詞は改訂版ではかなり音楽が付いたようですがそれでもかなり残っています。リゲティはドイツ語でこれを書いたようですが、言語に関しては各国のものを用いて一向にかまわないと言っていますので原語上演というのは当てはまらないようです。従ってENOの方針通り英語でやっても問題ないし事実歌唱的に違和感があるなんて感じは全くしませんでした。今回の歌手達は全く知らない人達ばかりですが、普段聴いている音楽との関連からはPrince Go-Goを歌ったカウンターテノールのアンドリュー・ワッツが大変好ましい声で印象的でした。他の歌手も特にいいというわけではないですがまあまあというところでしょうか。

演出は演出はバルセロナオリンピックの開会式を演出したことで有名なカタロニアのLa Fura dels Bausという会社に所属する演出家によるもので、ほぼ作曲者の意図を具現している印象です。舞台は終始ヌード女性が這い蹲った格好の特大の張りぼてが置かれていて、それは360度回転するし、首も回転し、目が光ったり、舌を出したり、口や後頭部から人が出入りできたり、乳首の部分が取り外しできて人が出入りできるし、おしりの部分も開いてバーになったりと全身装置だらけのものです。女性器もリアルに作られていて、膣から人物が出てくるなんて場面もあって出来の良さに感心しました。更にヴィデオ投射でこの女体が骸骨になったり表情をいろいろ変えたりしますが、実に天才的アイディアと思いました。見ていてまるでびっくり箱のように次は何が出てくるのかという楽しみがあります。
ということで結構楽しめる舞台です。結末は全く平凡なハッピーエンドででシュールな感じは全くありませんが。

大きな張りぼてをバックに歌手達
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次の写真は左からMescalina役のSusan Bickley、Prince Go-GoのAndrew Watts、ヴィーナスと秘密警察長官のSusanna Andersson、Pit the PotのWolfgang Ablinger-Sperrhacke
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Le Grand Macabre
Music by György Ligeti
Libretto by Ligeti and Meschke after de Ghelderode

Conductor: Baldur Brönnimann
Directors: Alex Olé and Valentina Carrasco
English National Opera Chorus and Orchestra

CAST
Piet the Pot: Wolfgang Ablinger-Sperrhacke
Amando: Frances Bourne
Amanda: Rebecca Bottone
Nekrotzar: Pavlo Hunka
Astradamors: Frode Olsen
Mescalina: Susan Bickley
Venus and Gepopo: Susanna Andersson
Prince Go-Go: Andrew Watts
White Minister: Daniel Norman
Black Minister: Simon Butteriss
Ruffiack: Michael Burke
Schobiack: Christopher Speight
Schabernack: Andrew Tinkler
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by dognorah | 2009-09-17 07:16 | オペラ
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