ドニゼッティのオペラ「シャモニーのリンダ」コンサート形式

2009年9月14日、ROHにて。

Linda di Chamounix: Melodramma semiserio in three acts
Music: Gaetano Donizetti
Libretto: Gaetano Rossi

Conductor: Mark Elder
The Royal Opera Chorus
The Orchestra of the Royal Opera House

CAST
Linda: Eglise Gutiérrez (soprano)
Carlo: Stephen Costello (tenor)
Pierotto: Marianna Pizzolato (mezzo-soprano)
Antonio: Ludovic Tézier (baritone)
Marquis de Boisfleury: Alessandro Corbelli (basso buffa)
Prefect: Balint Szabó (basso profondo)
Maddalena: Elizabeth Sikora (soprano)
Intendant: Luciano Botelho (tenor)

ロイヤルオペラの今シーズン幕開けはまずコンサート形式から。これは1週間前と今日の2回演奏されたのですが私は2回目の公演を聴きました。
コンサート形式にしろ、このオペラをROHで上演するのは122年振りだそうですが、それでもこれは26回目の上演なので19世紀にはもっと頻繁に上演(恐らく舞台で)していたということですね。なぜ上演されなくなったのか知りませんが、音楽的には悪くないもののやたら長い(2回の休憩を入れて3時間45分)割にストーリーがあまり面白くないせいかも。
それにしてもドニゼッティという人は「ランメルモールのルチア」にしろこれにしろ主人公を発狂させるプロットが好きですね。

題名役のソプラノ、エグリーゼ・グティエレスは高音域ではコロコロといい声がよく転がってなかなか聴き応えがあるのですが、中音域以下では一枚ヴェールをかぶったような声になり、全体としてはあまり好みではありません。
恋人役のテノール、スティーヴン・コステロは艶のあるいい声でとても満足しました。力強い歌唱です。
ピエロットを歌ったメゾソプラノはまあまあ。マッダレーナ役のヴェテラン、エリザベス・シコラは素直な美声で、容姿的にはお母さん役にぴったり。
お父さん役のルドヴィック・テジエは何も言うことのない立派な歌唱で惚れ惚れします。
ボアフレリー侯爵を歌ったアレッサンドロ・コルベッリはさすがと唸らせるすばらしさで、ちょっとした仕草や言い回しで笑いを取る技にも大いに感心しました。ブラヴォーです。
牧師役のバスも力強い歌唱で満足。

合唱も、ドニゼッティを得意としているというマーク・エルダーの指揮も大変楽しめるものでした。こうしてみるとリンダ役のみがちょっと不満で、誰か適役を連れてくれば今夜のCD録音もすばらしい出来になったでしょうに。

Eglise Gutiérrez as Linda
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Stephen Costello as Carlo and Ludovic Tézier as Antonio
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Balint Szabó as Prefect and Alessandro Corbelli as Marquis de Boisfleury
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女声陣をねぎらう Mark Elder
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あらすじ
シャモニー村の小作人アントニオとその妻マッダレーナには一人娘のリンダがいる。彼女は画家を装う女領主の息子カルロと知り合って恋に落ちる。一方女領主の兄ボアフレリー侯爵は甥のそういう事情を知らず、小作権延長の恩義を着せてリンダを狙っている。その邪な狙いを知った牧師はリンダを出稼ぎの人達に紛らせてパリへ旅立たせる。カルロは追いかけていってリンダの生活を援助する。しかしカルロの母親はそういう身分違いの恋愛を許さず、彼女の決めた女性と結婚するよう迫る。カルロはやむを得ず一旦は承知するが、その結婚の噂がリンダの耳に入り、父親との諍いもあって発狂する。友人のピエロットに連れられてシャモニーに戻ったリンダは、母親の説得に成功したカルロに話しかけられて正気を取り戻し、ハッピーエンドとなる。
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by dognorah | 2009-09-16 09:51 | オペラ
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