ロッシーニのオペラ「ブルスキーノ氏」公演

2009年9月8日、Peakock Theatreにて。

毎年この時期に行われるBYO(British Youth Opera)の公演です。名前の通りこれからオペラで活躍しようという若手歌手達が演じますが、競争の激しいこの世界、結構良い歌手達が選抜されています。今年はロッシーニのダブルビルとストラヴィンスキーのThe Rake’s Progressが上演されています。私はロッシーニを選び、この「ブルスキーノ氏」と「絹のはしご」の2本立てのうちまず「ブルスキーノ氏」のレポートです。

Il Signor Bruschino:一幕ものコメディ
Music by Gioachino Rossini
Libretto by Giuseppe Maria Foppa

Conductor: Robert Dean
Director: Jamie Hayes

出演
Sofia: Elena Sancho (soprano)
Marianna: Adriana Festeu (mezzo-soprano)
Florville: Thomas Herford (tenor)
Commissario: Eliot Alderman (baritone)
Bruschino figlio: Adam Kowalczyk (tenor)
Gaudenzio: Michel de Souza (baritone)
Bruschino padre: Thomas Kennedy (baritone)
Filiberto: Benjamin Cahn (bass)

すっきりした美しい舞台
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いつものロッシーニの音楽で大変楽しいオペラです。管弦楽も上手いし、演出もなかなかのものでおおいに舞台を楽しむことが出来ました。序曲では弦楽器の弓の背で硬いものを叩いてコンコンコンと音を出す場面が何回かありますが、舞台上では朝食中の後見人がその音に合わせてナイフでゆで卵を割る仕草をしたりするなど音楽に合わせた動作を効果的に使っています。白を基調にすっきりした舞台や家具に時代を感じさせる衣装も好感が持てます。多くの下僕達が黒子的存在で舞台進行を手際よく助けるのもよろしい。感心したのは全ての登場人物の演技が上手く、結構笑いを取っていました。多くの歌手がGSMD(Guildhall School of Music and Drama)に在学中か出身なのでしっかり演技力を身につけているようです。

歌手では後見人を歌ったブラジル人バス、Michel de Souzaが非常に上手く、次いでフロルヴィッレのThomas Herfordが印象的。ソフィアを歌ったスペイン人Elena Sanchoは細身の美人ですが声にちょっとムラのあるのが惜しい。高音を張り上げるところではいいのですが中音のどこかで腑抜けた音になってしまいます。他の歌手は概ね普通の出来です。
写真はカーテンコールで。
左からマリアンナ、ブルスキーノ氏、フロルヴィッレ、ソフィア、ガウデンチオ、フィリベルト。
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あらすじ
ソフィアとフロルヴィッレは恋仲であるが、ソフィアの後見人ガウデンチオとフロルヴィッレの父親は政敵で犬猿の仲のため結ばれるには大きな困難がある。ところがフロルヴィッレの父親が亡くなってしまい、望みが出てきた彼はソフィアを訪問する。しかしそこで聞いたことは、後見人が彼女の婿としてブルスキーノ氏の息子を選んだこと。何とかせねばと考えを巡らせた彼は、ブルスキーノ氏の息子が放蕩の挙げ句飲食代を払えなくて宿屋に拘束されている事実を掴み、息子と偽って後見人に近づく。後見人はこれ幸いと結婚式の段取りを進めるが、何とそこへブルスキーノ氏が訪問してくる。当然彼はフロルヴィッレを息子とは認めない。すったもんだしている過程でブルスキーノ氏はフロルヴィッレの意図を知り、特にソフィアを嫁として欲しくない彼は後見人を騙して恋仲の二人を結婚させてしまう。そこへ借金を払って貰って釈放された本物の息子が登場し、後見人は激怒するがみんなに取りなされて矛を収める。
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by dognorah | 2009-09-10 03:05 | オペラ
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