ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボー管弦楽団公演

2009年9月3日、ルツェルン音楽祭にて。

Sibelius Symphony No.1 in E minor
Duparc
* L'invitation au voyage
* Extase (orch. Pierre de Breville)
* Le manoir de Rosemonde
* Chanson triste
* Phidylé

Ravel Daphnis et Chloé - Suite No.2

Magdalena Kožená: mezzo-soprano
Royal Concertgebouw Orchestra
Mariss Jansons: conductor

友人の友人からこのコンサートの切符を頂けることになり、ルツェルン音楽祭にも行ったことがないのでロンドンから飛んでいきました。経路はチューリッヒまでイージージェットで、そこからは電車(1時間10分程度)でルツェルンへ。

プログラムは実は8月31日にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われたProm 61(私はラジオで聴いただけ)とアンコールも含めて全く同じものでした。異なるのは入場料です。ロンドンでは最高席でも54ポンド(約8200円)、今回頂いた切符の額面は恐れ多くも320フラン(約28800円)!方や6000人が入場できるRoyal Albert Hall、一方のKKL Luzern Konzertsaalはその4分の1以下の1300人という差が反映されているように見えます。しかし1900席のバービカンホールにこのクラスのオケが来たときの最高席はせいぜい70ポンド前後ということを考えるとあまりにも高い値段設定という気がします。

それは置いておいて、ざっと前後のスケジュールを調べると、何と欧州3大オケが全部来るし、アメリカからはシカゴ交響楽団やピッツバーグ交響楽団も来る。外来オケの充実度はPROMSを凌ぐ。PROMSにはここに来演した、あるいはする楽団の一部が流れてくるだけということが分かる。

さて、演奏の方ですが、すばらしいとしかいいようがないくらい満足すべき出来です。。シベリウスでは低音弦の充実した音と力強さには圧倒されました。演奏も緊迫感を保ったまま豊麗な音が響き渡り、久し振りに聴く質の高い第1番でした。

デュパルクを歌ったコジェナーがまた絶好調で、前から5列目の至近距離で聴く彼女の歌唱は感動的です。弱音から強音に至るまで声のコントロールは完璧で細やかな表現力と迫力には釘付けとなるほどです。しかし、ディクション的にはあまり褒められたものではないでしょう。同行の友人も「え?あれフランス語だったの?」とコメントしていたくらい。アンコールにはドビュッシーのBallade des femmes de Parisを歌いましたが、これは誰が聴いてもフランス語と言えるくらいとてもディクションが良くて歌唱もまた絶品でした。
ドレスは一見豪華そうですが、随分複雑なデザインであまり似合っているとは言えないですね。写真は拍手に応えて挨拶するコジェナーとヤンソンスです。
Magdalena Kožená and Mariss Jansons
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ラヴェルの「ダフニスとクローエ」第2組曲では木管と金管の美しさと輝かしさが際立っていましたが、実にフランス的な音でラヴェル音楽のすばらしさと質の高い音に溜息が出ます。アンコールは最初がドビュッシーのClair de Luneで2曲目がエルガーのWild Bearsでした。ところで、ヤンソンスですが以前見たときに比べると顔がちょっと痩せたようです。

このホールは幅が狭い割に奥行きと高さがありますが、1300席という大きさにしては音の飽和感が少なく、ややデッドでとても聴きやすいホールと思いました。恐らく壁一面に使われている吸音材が功を奏しているのだろうと思います。
噂には聞いていましたが日本人客の数はかなりなものです。しかしそれ以上に中国人の数が凄かった。私の席の後ろの列はほぼ中国人に占められていたくらい。日本人に比べて年齢的に若い人が多く、それは街の中を歩いている観光客でも同じ傾向でした。

コンサート終了後はホールに隣接しているキャンティーンで食事をしましたが、そこはロンドンから来た身には唖然とするぐらい高い街の中のレストランに比べると割とリーズナブルな値段だしおいしいのでとても気に入りました。コンサート直後は混みますが。そこでゆっくり食べて、さてホテルへ帰ろうと立ち上がって後ろを見ると、何とピエール・ブーレーズ氏が何人かの人達とテーブルに座ってしゃべっているではありませんか。舞台で見ても小さい人だと思っていましたが、小柄な私よりも小さい。厚かましくも、何度かあなたのコンサートに行ったしLSOとのリハーサルも見せて貰ったよ、と話しかけてみたら気さくに席を立って、ありがとうと握手してくれました。今後1年ぐらいしたらまたロンドンに行くからねとか何とかちょっと話してくれましたが当年84歳にしてはしっかりした口調でした。
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by dognorah | 2009-09-07 09:48 | コンサート
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