ドヴォルザークのオペラ「ルサルカ」公演

2009年8月24日、グラインドボーンにて。

天井から下がってくる妖精達と舞台(カーテンコールにて)
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Rusalka: Opera in three acts
Music: Antonín Dvořák
Libretto: Jaroslav Kvapil after Forque’s “Undine”

水の妖精ルサルカが狩りのために湖にやってきた王子に恋をし、魔女に頼んで人間にして貰うが王子に裏切られて悲劇的結末となるお伽話。

Conductor: Jirí Belohlávek
Director: Melly Still
London Philharmonic Orchestra
The Glyndebourne Chorus

Cast includes
Rusalka: Ana María Martínez
Prince: Brandon Jovanovich
Foreign Princess: Tatiana Pavlovskaya
Vodnik: Mischa Schelomianski
Ježibaba: Larissa Diadkova
1st Nymph: Natasha Jouhl
2nd Nymph: Barbara Senator
3rd Nymph: Élodie Méchain
Kitchen Boy: Diana Axentii
Gamekeeper: Alasdair Elliott

グラインドボーンでオペラを見るのは3回目ですが、前回は6年前の「フィガロの結婚」だったので今回は久し振りです。他にも行きたい演目があったのに切符が取れたのはこれだけでした。メーリングリストに登録するだけでは入手困難な最近の状況らしい。こじんまり(座席数1200)としながらも座席スペースはゆったりで舞台は見やすいし音響はすばらしいところで質の高い公演を見られるということで人気が高いのでしょう。
家から車でほとんど渋滞のない道ながら1時間半かかりました。Wimbledon - A3 – A243 – M25 – M23 – A23 – A27 – Glyndebourneというコース。
午後4時50分開演と書いてあるので不測の事態に備えてかなり早めに出発したため、現地では時間がたっぷり。好天に恵まれて他の方々はピクニックを楽しんでいたが私はぶらぶら散歩するだけ。おまけにオペラ開始は5時とのことで、ますます手持ち無沙汰。正確に情報を与えて貰いたいものです。約1時間後の第1幕終了後に20分のインターヴァル、更に50分後の第2幕終了後に80分のインターヴァルがあるので終演は9時半頃。長いインターヴァルのためにおにぎりを用意しました。

さて、公演ですがこれがすばらしい。ドヴォルザークのオペラ音楽は交響曲では計り知れないような奥深さがあるし、メロディはとにかく美しい。各登場人物に付与した特有のメロディがあるので音楽が聞こえると、登場が予期できる仕組みになっています。チェコ人指揮者ビエロフラーヴェク指揮するロンドンフィルの演奏もさすがにツボを押さえたもので、舞台との一体感は完璧です。全17回の公演のうちの16回目ですから細部までこなれたものになっているのでしょう。

歌手ではタイトルロールのアナ・マリア・マルティネスは絶好調。最初から最後までまず完璧と思われる美声で第1幕の「月に寄せる歌」も含めて感動的名唱でした。3日前の公演で舞台からピットに転げ落ちて病院に担ぎ込まれるという事故があったそうですが何ともなかったようです。余談ながら彼女が落ちたのはSantiago Sabino Carvalhoというチェロ奏者の上で、彼は怪我がなかったもののチェロは壊れてしまったそうです。彼のお陰で怪我をせずに済んだということで彼女は今や彼のことをSaint Santiagoと呼んでいると彼女はコメントしています。
プリンスを歌ったブランドン・ジョヴァノヴィッチはあまり美声というわけではないものの張りのある声でこれも充分よかった。他の歌手も概ね上手で舞台を盛り上げていました。

演出ですが、ストーリーに忠実な舞台設定で分かりやすいものでオペラを楽しむことを十分配慮したものになっています。ニンフ達が湖に飛び込むシーンなど黒子を沢山使って体を支えたり、俳優を使った妖精のダンスがあったり視覚的に楽しめる舞台です。黒子達は湖の主ヴォドニクや魔女の配下としても活躍します。またニンフの姿が人魚をデフォルメしたような衣装で天井からワイヤーで吊されて降りてきたりするのも面白いです。演出の一端はグラインドボーンのサイトにアップされている映像で見ることが出来ます。アップされている期間が不明なので、いつでも見れるようにYouYubeにアップしておきました。



終了直後に挨拶するAna María MartínezとBrandon Jovanovich
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他国の王女Tatiana Pavlovskayaと魔女Larissa Diadkova
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Brandon JovanovichとJirí Belohlávek
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Ana María Martínez
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by dognorah | 2009-08-27 23:50 | オペラ
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