「神々の黄昏」公演(キーロフオペラ)

2009年8月1日、ROHにて。
終了直後の舞台。挨拶しているのは3人のノルン達。
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Siegfried: Viktor Lutsyuk
Gunther: Evgeny Nikitin
Hagen: Mikhail Petrenko
Alberich: Nikolai Putilin
Brünnhilde: Larisa Gogolevskaya
Gutrune: Elena Nebera
Waltraute: Olga Savova
First Norn: Elena Vitman
Second Norn: Svetlana Volkova
Third Norn: Tatiana Kravtsova
Woglinde: Zhanna Dombrovskaya
Wellgunde: Lia Shevtsova
Flosshilde: Nadezhda Serdyuk

ジークフリート、グンター、ハーゲンなどの歌手はすばらしい出来ながら、ブリュンヒルデが箸にも棒にもかからない酷い歌手で全体としてはぶち壊しの舞台だった。こうして3人のブリュンヒルデを聴いてきたわけだが、ヴァルキューレで登場したオルガ・サヴォワが最も出来がよかったのになぜ中一日おいた今日この人に歌わせなかったのだろう。彼女は今日はヴァルトラウト役にあてがわれたが、この辺りの配役は完全にゲルギエフのミスであり、豊富な歌手を揃えるマリーンスキー劇場といえどもブリュンヒルデをちゃんと歌える歌手はほとんどいないということをさらけ出した形だ。ブリュンヒルデがこういう状態なら感動などあり得ない。大いに不満の残る公演だった。
昨日のジークフリートもよかったが今日のジークフリートもやや硬い声質ながらすばらしい声で満足。ペトレンコのハーゲンも迫力があったし、昨日ヴォータンを歌ったニキティンも充分よかった。ニキティンはハーゲンも歌えるだろうけれど、今日はより軽い役になったのは仕方がない。ジークフリートと一緒にブリュンヒルデをかっさらいに出かけるところでは留守番のハーゲンに対して「ハーゲン、城を守ってくれよ」と言うべきところ、グンター!と言ってしまったのはご愛敬。
演出は今日も快調でなかなかよくできていると思ったが、舞台の方は最後にミスがあり、あれだけ指輪指輪と騒いでいたハーゲンがグンターを殺してジークフリートの死体から指輪を抜き取ろうとして死体の腕が上がったのに怖じけついて(実際は腕は上がらない演出だったが)退いたまま舞台から消えてしまった。ブリュンヒルデから指輪がラインの娘達に渡った瞬間に彼は指輪を奪いに行って溺れ死ぬことになっているのだが、「指輪にさわるな!」という字幕が出たのみで声さえなし。アルベリッヒ、ミーメ、ハーゲンと血のつながりがある3人の頭の形を同じにしたのは面白い。

こうして4日間通して舞台を見たが、見る方としてはそれほど支障はないものの、演じる方は同じ役に対して複数の歌手を揃えなければならず、どうしても出来不出来の凸凹が生じてしまう嫌いがある。それでも今回の公演は男性歌手は概ね立派だったが、女性歌手陣が貧弱でしかも最重要役で大欠点を晒してしまったのでマリンスキー劇場がこういう上演をするには外部からちゃんとした歌手を雇ってくる必要があろう。

好演したグートルーネ役のElena Nebera
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ジークフリート役のViktor Lutsyukとグンター役のEvgeny Nikitin
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ハーゲン役のMikhail Petrenkoとブリュンヒルデ役のLarisa Gogolevskaya
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by dognorah | 2009-08-07 20:46 | オペラ
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