ドニゼッティのオペラ「ロベルト・デヴリュー」公演

2009年6月6日、Holland Parkにて。

Roberto Devereax: Opera in three acts
Music: Gaetano Donizetti
Libretto by Salvatore Cammarano after François Ancelot’s Elisabeth d’Angleterre

Conductor Richard Bonynge
Director Lindsay Posner
City of London Sinfonia

Roberto Devereux: Leonardo Capalbo
Elisabetta: Majella Cullagh
Sara: Yvonne Howard
Duca di Nottingham: Julian Hubbard
Sir Gualtiero Raleigh: Graeme Broadbent

毎年夏にケンジントンにあるオランダ公園で開催される野外オペラ(Opera Holland Park)に初めて行きました。今までも行きたいと思っていたのですがすぐ切符が売りきれる人気イヴェントなので気付いたときは切符が入手できなかったのです。今年は切符発売のメールを受け取ってすぐにアクセスして入手できたのでした。
今年は好天が続いていたロンドンですがとうとうそれも終わり、もう夏は去ったかという涼しい雨模様の天気になってしまいました。舞台はもちろん客席もテントが張ってあって雨の心配はしなくて済むのですが、風通しが良いので寒さ対策は欠かせません。席に着くと客達は自分の寒さ対策を自慢し合っているという有様で、私もダウンジャンパーを着ていき念のためにマフラーも持参しました。マフラーを使うほどではなかったのですがオーケストラの女性奏者などは実際マフラーを巻いて演奏していました。

さて、オペラの方ですが、これがすばらしい公演でドニゼッティ節を大いに楽しみました。歌手が全てよい出来で、特にエリザベッタ(エリザベス1世)を歌ったアイルランド人ソプラノ、マジェラ・カラハは歌といい演技といいとても水準が高くて感心しました。タイトルはロベルト・デヴリューになっているものの実際の主役はこのエリザベッタで、アリアも多いのです。実際カーテンコールでは最後に出てきました。そのタイトルロールを歌ったレオナルド・カバルボはイタリア人かと思ったらアメリカ人らしいのですが、大根役者ながら若くてハンサムないいテノールです。
舞台の方ですが、場面転換できる構造ではないものの豪華な衣装と時代物の小道具を使って雰囲気十分で感心しました。大勢の登場人物にエリザベス朝らしい服装をさせるのは随分お金がかかったことでしょう。演出もよくできていたと思います。
オーケストラも第1ヴァイオリンが6人という小編成ながらいい音を出しているし、ボニングの指揮も文句の付け所のないすばらしい演奏でした。リチャード・ボニングはCDやDVDではお馴染みの指揮者ですが実演に接するのは恐らく初めてと思います。間近で見ることが出来ましたが全身から上品さを漂わせた人で、オケメンバーも尊敬の態度ありありといった雰囲気でした。今年79歳のオーストラリア人で奥さんは往年の名ソプラノ、ジョーン・サザーランドです。この公演の初日には彼女も客席に座っていたらしく、記事をいつも読ませて貰っているブログIntermezzoに載っています。
とにかくこのようにレヴェルの高い公演なので切符がすぐ売りきれるんですね。来年も忘れずに買わなくちゃと思いました。なおこのオランダ公園には孔雀が放し飼いにされていますが、音楽に反応して公演中に何度も鳴き声を上げるという余興まであって悲劇の最中に笑いを誘っていました。まるで猫が大声を上げているのかと思うような声です。

次の写真はカーテンコールのもので、エリザベッタを歌ったMajella Cullaghです。第2幕までは豪華な女王の衣装でしたが第3幕は寝室の場面なのでネグリジェ姿です。後列は左から、Julian Hubbard、Leonardo Capalbo、Yvonne Howard、Graeme Broadbentです。
c0057725_20505811.jpg

次は指揮者のRichard BonyngeとMajella Cullaghです。
c0057725_20513555.jpg

あらすじ
エリザベッタとノッティンガム公爵夫人サラが共にロベルト・デヴリューを愛しており、ロベルトはサラを愛している。自分の愛を受け入れないロベルトには密かな愛人がいることを察したエリザベッタは激情のあまりロベルトをロンドン塔に幽閉した上、死刑判決文に署名してしまう。愛人の名前を明かせば命は助けてやるといわれ、ロベルトは密書をサラに送り、彼が彼女のスカーフと交換して渡した指輪(以前エリザベッタから下賜されたもの)を証拠としてエリザベッタに届けるよう依頼するが、夫のノッティンガム公爵が妻の不実に気づいてそれを阻止する。なんとかサラが抜け出してエリザベッタに指輪を届けたときには既に遅く、ロベルトの死刑が執行される瞬間だった。狂乱状態に陥ったエリザベッタは王位をジェームズに譲ると宣言する。
[PR]
by dognorah | 2009-06-08 20:58 | オペラ
<< 平井丈一郎チェロリサイタル ベルクのオペラ「ルル」新演出初日 >>