ルネ・パーペとロンドンフィル演奏会

2009年5月31日、RFHにて。

プログラム
メンデルスゾーン:交響曲第5番(宗教改革)
マーラー:Totenfeier(葬礼)
トルシュテン・ラーシュ:Mein Herz brennt(私の心は燃えている)

出演
René Pape (bass)
Katharina Thalbach (reciter)
Elisabeth Meister (soprano)
Vladimir Jurowski (conductor)
London Philharmonic Orchestra

珍しくルネ・パーペがロンドンに来るというので行ってみましたが、ラーシュの現代曲に出演でしかも作曲家の指示でマイクを使うという設定でがっかりでした。
そのTorsten Raschは1965年ドレスデン生まれの人で、2002年に作曲したこの作品で名を成したようです。Carl Maria von Weber Universityで学んだあと1990年になぜか日本に移住して15年間住み、そこで主にTVや映画のための音楽を作曲していたらしい。日本へ行った目的とかそこで何を得たのかはあまり記述がなく謎です。
この作品はドイツの過激なことで知られるロックバンドRammstein(ラムシュタイン)の歌詞を使って作曲されたもので、バスとナレーションはスピーカーから大音量で鳴らされます。ルネ・パーペは本来声量のある人なのにそれを増幅するものだから耳を覆いたくなるような音量となっていました。ソプラノは一つの楽章でバックコーラス的な役割があるのみで、こちらは生の声です。またオリジナルでは一部でコーラスが使われていますが今夜の公演では作曲家の了承の下にシンセサイザーで代用されました。なお独唱者は全員ドイツでの初演時のメンバーだそうです。オーケストラは大編成で、特に打楽器が多く、ステージだけでは乗せきれないので後ろのコーラス席をつぶして太鼓達を並べていました。
オーケストラの奏でる音楽は意外に伝統的な音響が多く、ドイツロマン派の影響を色濃く漂わせたものということで、前座にメンデルスゾーンとマーラーが演奏されたようです。そのため音楽としては魅力的な部分も多いです。歌詞も最初はやや過激であまり訳が分からない感じでしたが後半は叙情的な詩という印象も持ちました。ナレーションはともかくバス歌手の歌は増幅しなくても良いのじゃないかとも思いましたが、打楽器と共にラムシュタインの雰囲気を再現したかったのでしょう。
独唱の3人、左からElisabeth Meister、René Pape、Katharina Thalbach
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UK初演なのでステージに呼ばれた作曲家Torsten Raschと指揮のVladimir Jurowski
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最初のメンデルスゾーンの第5番はいつものユーロフスキーのように緻密でよく練れた音が心の琴線に響く感じでまたまたこの人の振るLPOの魅力を感じさせる好演でした。
また、2曲目のマーラーの葬礼は交響曲第2番の第1楽章とほぼ同じながら細部ではあちこち異なったものですが、珍しいものを聴かせて貰いました。面白かったです。来シーズンの幕開けはこの第2番なので練習の意味もあったのかもしれません。
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by dognorah | 2009-06-04 02:16 | コンサート
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