ヘンデルのオペラ「クレタのアリアンナ」コンサート形式

2009年5月17日、バービカンホールにて。

Handel: Arianna in Creta (an opera in three acts)
Libretto: adapted from Pietro Pariati

出演
Miah Persson: Arianna (soprano)
Lisa Milne :Alceste (soprano)
Kristina Hammarström: Teseo (mezzo-soprano)
Sonia Prina: Carilda (contralto)
Marina de Liso: Tauride (mezzo-soprano)
Antonio Abete: Minos (bass)
Academy of Ancient Music
Christopher Hogwood: conductor

過去何度かヘンデルのオペラを同じ形式で上演してきたホグウッドとその楽団は今回もすばらしい演奏で会場をうならせました。特に今回は管弦楽が冴えており、弦も管も本当に透明な音色でウットリするほどです。心の底からヘンデルの音楽をエンジョイしました。ホグウッドは先日ROHでパーセルとヘンデルのオペラを2本立てで指揮しましたが、管弦楽をOAEでなくなぜ自分の楽団を使わなかったのでしょう。このAcademy of Ancient Musicの方が遙かに隅々まで神経の行き届いた演奏になったはずなのに。

歌手ではスェーデン人ソプラノのミア・パーソンがさすがのうまさで以前聴いた「フィガロの結婚」でのスザンナ役と同様感動しました。声も美しいのですがコントロールがすばらしく感情表現が深味もあってずば抜けていました。
Teseo役を歌ったデンマーク人メゾのクリスティーナ・ハンマーストロームは肺炎で降板したキルヒシュラーガーの代役ですが声も良いしかなりレヴェルの高い歌唱ではありました。しかしもう少しメリハリを付けて起伏の大きい歌唱を望みたいところです。長身の美人でズボン役にはぴったりですが。この役は出番が多くて恐らくアリアの数では一番多いものと思われ、それだからこそキルヒシュラーガーが予定されていたのでしょうからちょっと残念です。
Alcesteを歌ったリサ・ミルンは充分上手い歌唱でした。唯一のデブ振りが際立っていましたが。イタリア人コントラルトのソニア・プリナも非常に上手い人です。声も良いです。Tauride役のイタリア人メゾは上背がないせいか声はソプラノに近い声質ですが声も歌唱もなかなかのものです。唯一の男性歌手(多分イタリア人)アントニオ・アベーテは低音の響きのすばらしい人で心地よい声です。

最初の写真は二人のソプラノリサ・ミルン(左)とミア・パーソン。
Lisa Milne (left) and Miah Persson
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次は左からソニア・プリナ、マリーナ・デ・リソ、クリスティーナ・ハンマーストローム、クリストファー・ホグウッド、ミア・パーソンです。
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あらすじ
クレタとアテネを中心とするギリシャ連合の戦いの結果、7年ごとにアテネはクレタのミノタウロスへ捧げる犠牲として7人の若者と7人の処女を提供する義務を負っている。今回はその3度目の責務を果たす年。選ばれた7人の処女の中には、クレタ王ミノスの娘なのに誘拐されてテベスの王の娘として育てられたアリアンナおよび美人のカリルダが含まれているがアリアンナおよびミノスともに彼女の本当の身分を知らされていない。選ばれた若者達の中にはミノタウロスを殺す意図を持ったテセオと勇猛なアルチェステが含まれているが、テセオとアリアンナは相思相愛、アルチェステはカリルダに片思い、カリルダはテセオに片思いという恋愛関係にある。ミノスとクレタの武将タウリーデは犠牲の若者達をラビリンスの中に閉じこめてあるミノタウロスへ届ける手はずを相談するが、その中でラビリンスに入って無事に出てくる手段として糸をたぐる方法およびミノタウロスを殺すには喉に剣を突き立てるしかないことなどの会話が交わされ、それをアリアンナに盗み聞きされてしまう。それはすぐにテセオにもたらされ、それを元に彼は成功裏にミノタウロスを殺した上無事に帰還し、今度はタウリーデに挑戦するが、タウリーデはすぐに降参してしまう。こうしてアテネの責務は解消され、テセオとアリアンナは結ばれる。またテセオをあきらめたカリルダはアルチェステの愛を受け入れる。
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by dognorah | 2009-05-19 22:15 | オペラ
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