中村恵理、ストラヴィンスキー歌曲とマーラー第4番で独唱

2009年4月29日、Purcell Roomにて。

恐らく中村恵理さんがROH研修生となったときにすぐコミットさせられたプログラムと思いますが、将来を嘱望される若手音楽家達に演奏機会を与える目的でロンドンフィルが主催しているイヴェントです。これまでの彼女のROHにおける活躍振りからすると今更こういうプログラムに参加する意義はあまりないと感じられるものでしたが、海のものとも山のものとも分からない昨年夏の段階で決められたのでしょう。出演者は15名足らずの器楽奏者と若手指揮者、それに中村さんです。指揮者はケンブリッジ大学とRoyal College of Musicを卒業し、あちこちのオーケストラを客演したり副指揮者を務めている人です。中村さんは恐らく3曲目のストラヴィンスキーの曲がフランス語歌詞とはいえ日本の詩に基づくものだったせいで指名されたものと思われます。

プログラム
・Stravinsky: Eight Instrumental Miniatures
・Schoenberg: Three Pieces for Chamber Orchestra
・Stravinsky: Trois Poésies de la lyrique japonaise
1.Akahito
2.Mazatsumi
3.Tsaraikuni
・Schoenberg: Three Pieces for Chamber Orchestra – repeat
・Mahler: Symphony No.4 in G

マーラー以外の曲は全てとても短い曲で、最初は10分足らず、2曲目は2-3分、3曲目の歌曲も3曲歌って5分足らずです。4曲目は2曲目の繰り返しで、プログラミングには大いに問題ありです。まあ全て悪くないものでしたが。歌曲はソプラノの高音域だけで歌われるような印象で、これも非常に魅力的とはいえないまでも悪くない音楽です。各歌詞の題名は何を表しているのかいまいちよく分かりませんが。中村さんは何をやっても一定レヴェル以上の結果を残す人であることは今回も示してくれました。フランス語もしっかりとした発音で情感たっぷりの表現でした。
マーラーは弦楽器5人と木管それに打楽器を主とし、あとの楽器はオルガンとピアノで代用という室内楽団用アレンジをしたものです。一応形はなっているものの原曲を知っているものにとってはやや退屈というのは否めません。早く第4楽章になって中村さんが登場してくれないかなぁとつい思ってしまいます。しかし第3楽章は編曲が良いのかなかなか聴かせてくれました。
そして第4楽章、中村さんの歌唱は諧謔的な歌詞を活き活きと喜びに満ちあふれたような表現がすばらしく、ここでも何でも歌える器用な人という印象です。
会場にはROH研修所のディレクターであるDavid Gowland氏もいましたが、弟子の出来には満足だったことでしょう。
写真はマーラー終了後の中村さんです。
Eri Nakamura
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by dognorah | 2009-05-01 08:25 | コンサート
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