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フランスドライブ旅行(その13) -ボルドーのシャトー巡り3

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シャトー・ムートン・ロッチルド(最初の写真)の見学者は総勢15人ぐらい集まった。まずビデオ上映があり、現オーナー(女性)の出演でワイナリーの歴史など概略が説明される。

その後、ガイドさんが畑と建物の中を案内してくれる。ブドウは10月のはじめまでにすべて収穫を終えているので、今は葉っぱばかり。ところがあちこちに取り残しと思われる実がぶら下がっているではないか。聞くと、それらは2番花が結実したもので、ワインには使わないという。じゃあ食べてもいいね、と許可をもらい各品種をつまんで食べてみた。粒の大きさは日本で売られているデラウエアというブドウとほぼ同じ。食べると、甘くて上品な酸っぱさが後に残る。おいしい。各品種での味の違いはあまりわからなかった。食べたのは、カベルネ・ソービニオン、カベルネ・フラン・メルローなど。

次の写真は、オーク材で作った大きな樽。収穫したブドウから抽出した液を入れて第1次の発酵が行われる。今年の発酵はあらかた終わっているという。
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1次発酵が終わってアルコール飲料となったワインは次の写真のように小さい樽に入れられ、しばらく寝かされた後、来春には第2次の発酵過程に入る。この2次発酵を経てワインは本来の味に向上するらしい。その後24ヶ月間樽の中で静かに寝かされた後瓶詰めされ出荷される。したがってこの時期、貯蔵所には前年および前前年のワインも未だ眠っているわけだ。
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実は私は2002年のこのワインをロンドンの大手ワイン商を通じてわずかながら先買いしているのだ。自分のワインもここに眠っていると考えるとちょっとにんまりしてしまう。私がそれを手元に置けるのは最短でも2005年の夏である。なお24ヶ月の熟成期間はトップクラスのワインだけで、ランクによっては18ヶ月とかそれ以下のこともある。

次の写真はここで過去に作られたワインの貯蔵庫である。1840年代からのワインがすべて保存されているとのこと。今生きている人の誕生年ワインもすべてあるということになる。これは売り物ではなくロスチャイルド家が重要なパーティをやるときに消費されるらしい。
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最後の写真は、このワインのラベルの拡大図の展示室のもの。ムートンといえば毎年違った画家に描いてもらった絵をラベルの意匠に使うことで有名だ。写真は1955年、有名な画家ジョルジュ・ブラックに描いてもらった絵を採用したラベルである。
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このワイナリーはさすがにユダヤ人というか、非常に商売熱心である。まず、入場料(5ユーロ)を取る。ワインの試飲はさせてくれない。ワインはもちろん、ラベルのコピーなどおみやげ物をいっぱい売っている。他のワイナリーは入場無料で、ツアーの最後には試飲もさせてくれるのに。

午前はこれだけで、ちょうど昼食時なのでレストランに行く。祝日なので開いているところが少なく、結局昨夜フィリップの家に到着してから教わって行ったレストランに再び行く羽目になってしまった。ポイヤック村のジロンド川べりにあるやつ。川の幅が広いのでまるで海辺にいる感じだ。

レストランに入ると驚いた。2-30人の日本人団体客が店の半分くらいを占領しているのだ。大半は30歳前後の若い女性で、男性もちらほら。さらに驚いたのが、彼らの飲んでいるワインがシャトー・ラトゥール(Ch. Latour)というこれまた1級格付けの高級品。察するに、彼らは午前中そのシャトーを見学し、どこかで入手したそのワインを持ち込んで飲んでいるのだろう。このレストランはシェフに一杯おごればワインの持ち込みはただだそうだから。そして聞こえてくる会話から判断して彼らはソムリエを目指すワインスクールの生徒だったのだろう。時間があれば話しかけたのだが、あいにく後の予定が迫っているので、例によって生牡蠣を食べてすぐに出てしまった。(続く)
by dognorah | 2005-03-16 20:39 | 旅行 | Comments(3)
Commented by Fake BJ at 2005-03-16 21:46 x
ワイナリーを訪れたのはオーストラリアとNZに住んでいた頃ですね。最近は行ってません。せっかくヨーロッパにいるのだから是非いつか生きたいと思ってますが。今度是非飲みに行きましょう。
Commented by dognorah at 2005-03-17 00:12
飲み会は大歓迎、ぜひぜひ行きましょう。
Commented by Sachie at 2005-04-21 09:29 x
こちらこそTB及びコメントを下さり、ありがとうございます。2002年ものが届くのが楽しみですね。
実は、ワインに合わせるお料理に頭を悩ませる事が多いのですが、何か(簡単で)お勧めレシピ等ございましたら、いつかブログにてご紹介頂けないでしょうか?
dognorahさんのレシピにはとても興味津々です!
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