マルティヌーのオペラ「ジュリエット」コンサート形式

2009年3月27日、バービカンホールにて。

マルティヌーのオペラを聴くのはこれが初めてですが、いやーすばらしい音楽ですね。BBC交響楽団の魅力的な音色にも驚きました。常任として結構長く振ってきたビエロフラーヴェクは少なくともチェコ音楽に関しては完全に手兵として育て上げたと思わせる掌握の仕方でした。本日第一のブラヴォーです。こんなすばらしい演奏を聴くと来期に予定されているマルティヌーの交響曲全曲演奏も大いに興味をそそられます。

歌手陣も充実していていました。中でも初めて聴いたアメリカ人テノール、ウイリアム・バーデンは出ずっぱりながら終始美声を保ってすばらしい歌唱を披露してくれました。ルックスもなかなかいいし、注目すべきテノールです。
タイトルロールのマグダレーナ・コジェナーも相変わらずいい声でしたが今日はやや霞がかかったような感じの時もあり、絶好調ではなかったです。
代役出演で二役をこなしたプローライトもいつものように張りのある安定した歌唱でした。

オペラのストーリーは夢を扱った不条理で非日常的な内容ですが面白い発想で、手塚治虫が漫画化していそうなSF的要素たっぷりのおもしろいものです。演出は衣装も凝っている部分があって分かりやすいものでした。

あらすじ
ある港町に着いたミシェルは3年前に2階の窓から歌を歌っていた女性を思い出し、また会いたいものだと思っていたら3年前と同じシチュエーションで彼女と再会。森の外れにある交差点でランデヴーということになる。女性の名前はジュリエット。話をしていると「記憶」を売りに来る男がいて彼女が商品をいろいろ漁ってミシェルと二人でスペインに旅行に行った話などを始めるが、全てミシェルには経験のないことで戸惑っていると彼女は去ってしまう。去って欲しくないミシェルは引き止めるが行こうとするのでピストルで彼女を撃つ。彼女が死んだのかどうかはっきりしないが現場には彼女が付けていたショールが落ちている。そのショールを彼女のいたアパートに行って届けようとするが、老婦人が出てきてここには若い女性は住んでいないという。
ふと気がつくとミシェルは「夢斡旋所」にいて、係員が次々と寝に来る人に夢を売っている。その中の何人かはまたジュリエットが出てくる夢を希望している。ミシェルは係員から、そろそろ起きて夢から覚醒しないと大変なことになる、と警告を受ける。そのときドアの外からジュリエットの声がして「ミシェル、ミシェル」と呼びかける。しかしドアはロックされていて開けない。警告を無視してそのまま夢の世界にいようと決心したらドアが開いて元の森のはずれに出るが、ジュリエットは見あたらない。

Julietta
Lyric opera in three acts (1936-7, rev.1959)
Music: Buhuslav Martinů (1890 – 1959)
Libretto by the composer after the play by Georges Neveux
フランス語では、Juliette, ou la clé des songes
英語では、Juliette, or The Key to Dreams
元々はチェコ語のテキストに作曲されたが、作曲者自身によってフランス語版も作られ、今回の演奏はフランス語によって歌われました。

写真はコジェナー、ビエロフラーヴェク、バーデンです。
Magdalena Kožena, Jiří Bělohlávek, William Burden
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BBC Symphony Orchestra
BBC Singers
Conductor: Jiří Bělohlávek
Concert staging: Kenneth Richardson

Juliette: Magdalena Kožena, mezzo-soprano
Michel: William Burden, tenor
Bird-Seller/Fortune-Teller: Rosalind Plowright, soprano
Fish-Seller/Grandmother/Old Lady: Jean Rigby, mezzo-soprano
Little Arab/1st Man/Bellhop: Anna Stéphany, mezzo-soprano
Old Arab/Old Sailer: Zdenek Plech, bass
Police Chief/Postman/Clerk: Andreas Jäggi, tenor
Man in Hat/Seller of Memories/Blind Begger/Nightwatchman: Roderick Williams, baritone
Man in Chapska/Father Youth/Convict: Frédéric Goncalvès, bass-baritone
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by dognorah | 2009-03-29 21:19 | オペラ
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