ランメルモールのルチア

2009年3月17日、ヴィーン国立歌劇場にて。
Anna Netrebko as Lucia
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主演のアンナ・ネトレプコは3月7日までコヴェントガーデンでジュリエッタを歌い(7日はキャンセルしましたが)、その後14日から24日までヴィーンでルチアを歌い、30日から再びコヴェントガーデンに戻ってジュリエッタを歌うという変則的なスケジュールとなっています。そして彼女のスケジュールに合わせて私もヴィーンにやってきたのでした。

結論から言うとネトレプコは絶好調で大変楽しめました。同じオペラを2月に指揮のアルミリアートと共にMETで練習して調子を整えた上、ROHでもベルカントオペラをこなしたのが効いたのでしょう、調子はすっかり以前の好調時に戻った感じです。7日のROHの公演をキャンセルしてヴィーンの自宅でゆっくりできたのもよかったのでしょう。写真では余りよく分からないですが、実物を見た限りではこの2週間で心持ち顔が細くなった気がします。狂乱の場は声といい歌唱といい絶品で、落涙の感動を得ました。ブラヴォーです。
エンリーコ役のペテアンも好調で、朗々と響く低めのバリトンが耳に心地よい。キーンリーサイドとは違うタイプではあるが二日間にわたってすばらしいバリトンを聴かせて貰いました。
George Petean as Enrico and Anna Netrebko as Lucia
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しかしテノールは今日もあまりよくないです。フィリアノーティはヴァルガス同様声が悪く、第1部第1幕第2場など絶叫気味でせっかくのネトレプコの美声を汚して二重唱も楽しめません。しかしこの人は昨日のヴァルガスと違って時間と共に少しずつよくなり、第2部第2幕第3場の自殺前のアリアは美声もよく出てなかなかの出来でした。ブラヴォーも沢山出ました。
Giuseppe Filianoti as Edgardo and Anna Netrebko as Lucia
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ライモンド役のコーカンという人、歌は上手いもののバスの声が硬めで私の好みではありません。

オケは今日も主力抜きながらアンサンブルがいいし、躍動感たっぷりでテンポも小気味よく、イタリア人指揮者の特徴がよく出ていました。第2部第2幕第2場の狂乱の場でルチアのアリアはグラスに水を入れたものを多数並べて指で音を出す楽器(正確な名前は知りませんが、写真を撮りました)の音をバックに歌われるのですが、私の席からはその楽器を演奏する様が見えたこともあって小さめの音量ながらはっきりと聞くことが出来ました。ネトレプコの歌もその音に呼吸がぴったりと合っていて、より感動を高めてくれたと思います。直後のカーテンコールではネトレプコがその奏者に対して拍手していました。
special instrument used for the mad scene
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演出は古典的伝統的で衣装もまあまあでした。各場で舞台をこまめに変えるという懲りようで大変楽しめます。また、カーテンコールが各幕でなしに各場毎に行われるのも初めて見ました。観客は昨日と違って日本人はあまりいませんでした。
Anna Netrebko and Marco Armiliato
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Lucia di Lammermoor
Dramma tragico in zwei Teilen
Music: Gaetano Donizetti
Libretto: Salvadore Cammarano nach dem Roman “Die Braut von Lammermoor” von Sir Walter Scott

Dirigent: Marco Armiliato
Inszenierung: Boleslaw Barlog

Enrico (Lord Henry Ashton): George Petean
Lucia, seine Schwester: Anna Netrebko
Edgardo (Sir Edgar Ravenswood):Giuseppe Filianoti
Arturo: Marian Talaba
Raimondo, Erzieher Lucias: Stefan Kocán
Alisa, Vertaute Lucias: Juliette Mars
Normanno, Vertrauter Enricos: Peter Jelosits
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by dognorah | 2009-03-20 10:01 | オペラ
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