藤倉大の新作ピアノコンチェルト

2009年2月3日、クイーン・エリザベス・ホールにて。

現代曲中心のプログラムなのでフィルハーモニア側はあらかじめホールを小型のQEHにしていたのですが、それでもかなり空席の目立つ入りでした。特段有名な演奏者を呼ばない限り、こうなってしまうんですね。

出演
ピアノ:小川典子
指揮:Martyn Brabbins

プログラム
Copland: Appalachian Spring Suite
Fujikura: Ampere (World premiere)
Stravinsky: Petrushka (1947)

藤倉大のピアノ協奏曲「Ampere」はフィルハーモニア管と名古屋フィルの共同委嘱作品だそうです。
通して聴いてみて、緊張感の持続する力作であり、なかなかユニークな音楽だと思いました。愉快なメロディや音があるわけじゃなくて聴く方もそれなりの緊張が要求されますが音楽として楽しめます。演奏時間は25分くらいです。
ピアノパートは恐ろしく難しそうな印象で、綴れ折ページも入った譜面とにらめっこするピアニストの緊張がモロ伝わってきます。最初から最後までピアノはほとんど休まず、途中には長大なカデンツァも入っています。カデンツァの途中では時折いろいろな打楽器がノイズ的サウンドを出しますがまるでピアノを邪魔をするかのようです。舞台には彼女のドレスと色を合わせたように赤い子供のおもちゃ的ピアノも置かれていて、一体どうするんだろうと思っていたらメインのピアノパートを弾き終わった最後の方で何と彼女はそのおもちゃのようなピアノの前に風呂の洗い場で使うような小さな椅子(やはり赤い色)に座ってそれを奏でるのです。音は金属的で、ちょっとピアノの音とはかけ離れていますが、現代音楽としては何でもありだから別に違和感は感じられませんでした。

写真は終演後舞台に登場した作曲家Dai FujikuraとピアニストNoriko Ogawaです。二人ともコスチュームを赤い色にしているのは事前に打ち合わせたのでしょう。
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次の写真は指揮者Martyn Brabbinsと挨拶を交わす藤倉大と、小川さんの足下にあるのがおもちゃ(?)のピアノ。
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なお、今日の指揮者はフィルハーモニア管からすばらしい音を引き出していました。コープランドの「組曲アパラチアの春」もストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」も各パートの音色およびアンサンブルがすばらしく、テンポやフレージングも極めて妥当なもので佳演で大いに楽しめました。

余談
ロンドンの各ホールにはPA装置が備え付けてあり、スピーカーも舞台の左右上方に設置されています。ホールの音響的欠陥やオーケストラの欠点などを補うために微妙に使われているそうですが、あろうことかペトルーシュカ演奏中にそのスピーカーからノイズが大きく出ました。一時的なものでしたが観客はびっくりしてみんなそのスピーカーの方を見ていました。ノイズは携帯電話が着信したときにアンプ回路に誘導される類のもので、私が自宅でPCの前に座っているときに近くの携帯が反応するとPCのスピーカーから出てくるノイズと全く同じものです。舞台裏の係員の携帯がたまたまアンプの近くにあったのでしょう。ノイズが鳴ってからかなり精神的にdisturbされました。フィルハーモニア管に文句を言ってみようと思います。
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by dognorah | 2009-02-06 02:28 | コンサート
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