Shun-kin

2009年2月2日、バービカン劇場にて。

谷崎潤一郎の小説「春琴抄」と「陰翳礼讃」をベースにSimon Mcburney率いる劇団Compliciteが昨年世田谷で公演したものをロンドンに持ってきたものです。英語字幕付き日本語上演です。

谷崎の小説は恥ずかしながら読んだことがないのですが、日本人俳優達がロンドンまで来て公演してくれるということで行ったのでした。春琴抄なんて題名からは何となく綺麗なイメージを想像してしまいましたが、サディストとマゾヒストみたいな三味線師弟の話で、サイモン・マクバーニーさんは春琴に仕える佐助のマゾヒストの極致みたいな点に興味を引かれたみたいです。同行の友人の感想ではほぼ原作通りのストーリーが舞台で再現されているようです。劇開始後に照明について言及があり、物語終了後に、ろうそくしかなかった時代は暗い中での生活が一般的で、そういう環境で独自の発展を遂げる文化があるとの解説があり、それが「陰翳礼讃」のエッセンスを舞台に持ち込んだということなのでしょう。春琴と佐助の関係もそういう環境も荷担して発展したのか?と思わせる構成でした。

俳優は全てマイクを使っていましたが、今時普通なんでしょうか。
舞台演出は結構感心した点で、速いテンポで次々場面を転換していく様はなかなかよく考えられていて小気味良さを感じます。観客の想像力に頼りながら棒一本でいろいろな舞台装置を表現する手法はかなり日本的で、この演出家は日本文化をすっかり吸収したかのようです。果たしてイギリス人観客に理解されたのかどうか分かりませんが、私は物語に没頭でき、舞台を楽しむことが出来ました。
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by dognorah | 2009-02-04 22:03 | 観劇
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