オペラ「カラマーゾフの兄弟」(コンサート形式)

2009年2月1日、バービカンホールにて。

The Brothers Karmazov (2008)(UK premiere)
Music: Alexander Smelkov (1950 - )
Libretto: Yury Dimitrin, based on Fyodor Dostoyevsky’s novel

Conductor: Valery Gergiev
Orchestra and Chorus of the Mariinsky Theatre
Eltham College Trebles

CAST
Feodor Pavlovich: Vassily Gorshkov (tenor)
Dmitry (Mitya): Avgust Amonov (tenor)
Ivan (Vanya): Alexey Markov (baritone)
Alexey (Alyosha): Vladislav Sulimsky (baritone)
Smerdyakov: Alexander Timchenko (tenor)
Devil: Andrey Popov (tenor)
Zosima: Gennady Bezzubenkov (bass)
Inquisitor: Alexander Morozov (bass)
Katerina Ivanova: Elena Nebera (soprano)
Grushenka: Kristina Kapustinskaya (mezzo-soprano)
Khoklakova: Olga Trifonova (soprano)
Mussyalovich: Yevgeny Ulanov (baritone)
Vrublevsky: Sergey Romanov (baritone)
Maria Kondratievna: Tatiana Kravtsova (soprano)
Grigory/ District Police Officer : Alexander Gerasimov (bass)
Chairman of the Court: Grigory Karasev (bass)
Mother: Tatiana Kravtsova (mezzo-soprano)
Head of Court: Artem Krutko (counter-tenor)
Old man: Yakov Strizhak (bass)
Priest: Andrey Leybov (tenor)

ゲルギエフ指揮のマリーンスキー劇場のオペラ、最初の二日間の出来がすばらしかったので最終日にも行ってみました。
現代作曲家の作品で、原作が有名なドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」です。昔この小説は読んだことはあるのですが、さして感銘を受ける作品でもなかったのでストーリーはすっかり忘れていました。劇の進行と共に父親殺しの真犯人は誰か?というのがテーマだったなと思い出しましたが小説の中では確か真犯人は断定されなかったような。リブレットは原作にかなり忠実に作ったのでしょう、登場人物がやけに多すぎてコンサート形式では誰が誰だかとてもわかりにくくてストーリー展開の把握が難しいと感じました。オペラとしてはそれが大きな問題で、これはリブレットを書き直して(当然曲も)主要人物だけにするべきでしょう。

音楽はショスタコーヴィッチよりも古典的ですが、ガチャカチャ賑やかに演奏されるもののちょっと鳴らしすぎという印象で、結果として前の二日間に比べてそれほど楽しめたわけではありません。出だしの音楽がブラームスの交響曲第1番をちょっと彷彿とさせるようなメロディ(第2幕でも繰り返される)で、第1幕の後半などオペラというよりミュージカルという印象です。第2幕の裁判の場でではどういう意図かよく分かりませんがベートーヴェンの交響曲第9番の第4楽章で3つのテーマを低弦が否定する部分をそっくりそのまま使ったり、あるいは他のポピュラーなメロディやジャズのバンド演奏みたいなものなどをまぜこぜにした部分があったりします。合唱部分はよく書けていると思います。

卓越した独唱者はいませんでしたが全体に歌手の出来はやはり水準が高く、歌唱的には楽しめました。中でも今日で3日連続の出演となるメゾソプラノのクリスティーナ・カプスティンスカヤは相変わらずの美声で一番人気でした。

最初の写真は女性歌手達とゲルギエフで、左からOlga Trifonova、Kristina Kapustinskaya、Valery Gergiev、Elena Nebera、Tatiana Kravtsovaです。
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次は、UKプレミエということで舞台に姿を現した作曲家のAlexander SmelkovとValery Gergiev、それに右端は主役級のDmitryを歌ったテノールのAvgust Amonovです。
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ゲルギエフさん、3日間連続のお勤めお疲れ様でした。改めてこの人の超人的タフさを思い知りました。サンクト・ペテルスブルグにこの北極の寒気も一緒に連れて帰って下さいな。

追記ですが、帰国の途についたこの大団体、ヒースロー空港で雪のため足止めを食らったようです。「こんなの普通の天候じゃない。この程度でなんでトラブルわけ?」と、彼等はブツブツ言っていたとか。
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by dognorah | 2009-02-03 23:56 | オペラ
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