ロッシーニのオペラ「Matilde di Shabran」

2008年10月27日、ROHにて。

Matilde di Shabran ossia Bellezza, e cuor di ferro
Melodramma giacoso in two acts
Music: Gioachino Rossini
Libretto: Jacopo Ferretti after a libretto by François- Benoît Hoffmann

Conductor: Carlo Rizzi
Director: Mario Martone
The Royal Opera Chorus
The Orchestra of the Royal Opera House

CAST
Ginardo: Carlo Lepore (Corradino's servant)
Egoldo: Robert Anthony Gardinert (a peasant)
Aliprando: Marco Vinco (Corradino's.doctor)
Isidoro: Alfonso Antoniozzi (an itinerant poet)
Corradino: Juan Diego Flórez (a nobleman, alsa known as Cuor di ferro (Iron Heart))
Edoardo: Vesselina Kasarova (a young nobleman)
Matilde di Shabran: Aleksandra Kurzak
Contessa d'Arco: Enkelejda Shkosa
Rodrigo: Bryan Secombe (captain of Corradino's guard)
Raimondo: Lopez Mark Beesley (Edoardo's father)
Udolfo: Atli Gunnarsson (gaoler)

Pesaroで開催されるRossini Opera Festivalの2004年プレミエのプロダクションを借りてきてROHで初上演したものです。ストーリーは単純で、劇としては退屈しますが音楽は誠にすばらしく、主要な役にいい歌手が配役されたならとても楽しめるものです。今回は、主要な役にフアン・ディエゴ・フローレス、ヴェッセリーナ・カサロヴァ、アレクサンドラ・クジャァク(この人はポーランド人で、名前の発音は友人がポーランド人に聞いて確認したものを教えて貰いました)という絶好調な歌唱を披露した歌手に加えて、脇役のCarlo ReporeやMarco Vincoもなかなか頑張っていて大変楽しませて貰いました。それにもまして特筆すべきはカルロ・リッチの音楽性豊かな指揮でしょう。序曲が始まってすぐに「あぁ、ロッシーニ」とつぶやきたくなる旋律ですが見事なまでに躍動感溢れる指揮に感激しました。

フローレスは前半は怒った顔で歌う場面が多いのですが、あんなに怖い顔をしていても声はいつもの独特の美声で、後半はへろへろする表情の多い場面でも同じく声は魅力たっぷりで何も言うことはなく聴いているだけで幸せになる声でした。
カサロヴァもメゾとは思えない高音をきれいに発声してもう感激もの。今年43歳の脂の乗り切った年齢とは思えない若々しい歌唱ですね。
クジャァクも高音まできれいに出ていましたが、あまりコロコロするような声ではないです。でも、最近聴いたスザンナやちょっと前のアディーナ役よりは遙かによかったです。
ドクター役のマルコ・ヴィンコというバリトンも質の高い歌唱でしたし、相棒のようにいつも一緒にいる従僕のカルロ・レポレモのバスも立派なものでした。マティルデの敵役を演じたエンカレイダ・シュコサも若くはないですがなかなかいい声をしています。

今回の演出は客席から登場する場面が多かったのですが、私の席から一人はさんで通路に立ったまま歌った詩人のアルフォンソ・アントニオッチ、結構艶のあるいい声をしているじゃないかと思ってみていたら、そこから舞台に上がったところでとんでもないドジをしでかしました。何とマイクにつながっているトランスミッターが固定位置からはずれてコードの先でぶらぶらしているのです。トランスミッターは5cm角程度の小さいものですが平土間の最前列に座っていた私にははっきり確認できました。彼はあわてず騒がずそっと掴んでもとの腰のあたりに納めていましたがコードは後ろのコートの部分を巻いてしまったので目立つ白いコードがずっと見えたまま。マイクを使っている現場を私にしっかり確認されてしまいました。通路のすぐそばで歌っているときも極近くにしても、ちょっと声が響きすぎじゃない?と思っていましたがやっぱり。彼一人だけが使っているはずはなく、恐らく全員マイクを装着していたものと思われます。因みにその後の彼は舞台裏で怒られたのか、歌唱があまりぱっとせず、やはり動揺してしまったのでしょうか。
今日の観客はかなりミーハーな人が多かったようで、フローレスやクジャァクが登場すると拍手したり、終演の幕が下りきらないうちにフラッシュをたいたり、とちょっといつもとは違う雰囲気でした。

写真はJuan Diego Flórez。この髭は公演に合わせて生やした自前のものでしょうか。
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次はAleksandra Kurzak。
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次は左からVesselina Kasarova、Marco Vinco、Enkelejda Shkosaです。
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最後は指揮者Carlo Rizziを挟んで。
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by dognorah | 2008-10-29 08:39 | オペラ
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